なるほど、嵌められたわけだ。 ページ48
息も絶え絶えに語り始める９代目と呼ばれるお年寄りとリボーン君の話を必死に聞いているのだが、物凄い親子喧嘩をしていることしかわからなかった。
涙を流し気を失ったお年寄りに声をかける沢田綱吉君。
まるで画面の中の光景を見ているような疎外感を感じるが、威圧感のある声にハッとそちらに顔を向ける。
「貴様を殺し、敵を打つ！！」
つらつらと建前を述べた相手のボスに、リボーン君が見事に的を得た推論を話してくれた。
なるほど、嵌められたわけだ。
あまりにも汚いやり方にムッと唇を尖らせる。
足元にいる師匠の顔も険しかった。
リボーン君の怒りの声に仮面をした女性たちの肩が揺れる。
呆然と話を聞いていた沢田綱吉君が、力強く立ち上がった。
「ザンザス、そのリングは返してもらう…お前に９代目の跡は継がせない！！」
決意のある声に思わず私もブルリと心が震えた。
「よく言ったぞ、ツナ」
「ボンゴレの歴史に刻んでやる、ザンザスに楯突いた愚かなチビが一人いたとな」
「一人じゃないぜ！」
え！？
突如広範囲に広がったスポットライト圏内に私が入っていることに慌てる。
「１０代目の意思は、俺たちの意思だ！！」
次々と武器を構える彼らに習ってとりあえず構えてみる。
よかった…武器仕込める師匠から貰ったジャケット来てきて。
始まりそうな戦闘の雰囲気を女性の声が絶ちきる。
「お待ち下さい！」
口々に響く不満の声を感情の籠っていない声で切り捨てた女性。
大きく予告された大空のリング戦。
また険悪になるその場が相手のボスが放った炎で眩まされる。
目を開けたころには黒服の人たちと女性は姿を消していた。
「跳ね馬！！」
ズラリと並ぶスーツの男たちとその真ん中に立つ金髪の男性が指示を出し始める。
「大丈夫かよヒバリ！」
山本君の声にハッとして涼しい顔して立っている雲雀恭弥を見て、その足から流れる血に顔を歪める。
「A、怪我はありませんか？」
こちらを見上げてくる師匠にコクリと頷いて、顔を伏せている沢田綱吉君の背中を見た。
「…師匠」
「はい」
「教えて下さい。今の状況を」
「…わかりました」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
