知ってます。 ページ45
「いいかてめーら！！何が何でも勝つぜ！！」
薄暗い校門から入ると、聞こえた勢いのいい声のほうに、足を進める。
「おっ、藤咲先輩！と小僧！」
「あん？てめー、んで顔出さなかったんだよ！果たすぞ！」
何故か異様に気合いの入っている獄寺君に及び腰になる。
「こんばんわ」
挨拶をする師匠に習ってとりあえず軽く会釈しておいた。
「今日は極限に雲雀の勝負だぞ！藤咲」
知ってます。
口を挟む暇もない三人の会話を師匠を肩に乗せたまま一歩離れたところで見ていると
「今日の主役の登場だぜ」
山本君が明るい声で雲雀恭弥を出迎える。
肩にかけた学ランを夜風に靡かせて、仏頂面で獄寺君たちを煽る雲雀恭弥。
「君たち、なんの群れ？」
消えないと殺すとまで言い出した彼に激昂する笹川君と獄寺君を鎮める山本君を見ていると、不意に雲雀恭弥と視線が絡んだ。
どこか満足そうに鼻をならした彼を見つめ返す。
耳元で師匠が笑ったのを感じて咎めるように少し肩を揺らした。
重たい音をたてて登場した黒服の集団の中央にいる寸胴を好戦的に見た雲雀恭弥。
どうやらあの寸胴が雲雀恭弥の相手らしい。
思ったんだけど、これ学校でやる意味あるの？
まるで戦場のような設備になっているグラウンドを見渡してちょっと引く。
私はこの催しの重要さがどれ程かは知らないけど、常識なんてもう無いも同然だよね。
私の時と同じように始まった彼女たちのフィールド説明を聞きながら頬をひきつらせる。
砲台とか地雷って…殺す気か。
少し煩い彼らからいそいそと離れて、フェンスに背をつける。
斜め前に座っている黒曜の制服を着ている女の子も守護者と言うヤツだろうか。
目が合うと頬を染めてパッと反らされた。
…な、なんかゴメン。
「あっ、お前！」
「…ッ！？」
咄嗟に羽織ってきたジャケットに仕込んである武器に触れる。
私を拉致した人だ。
威嚇してくるガラの悪い黒曜の人を睨み返すと、師匠に静止の声をかけられる。
「A」
「犬…めんどい」
どうやら相手も隣にいる同じ制服を着た彼に鎮められたようだ。
むくむくと蘇ってくる悔しさをなんとか圧し殺した。
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サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
