見つめて…。 ページ5
いつの間にか森深くの開けた場所に出ていた。
「では始めましょうか」
「えっ、今からですか！？」
まだ日が短い冬ではないとはいえ学校終わりのこの時間。
森の中と言うこともあり夕日の緋色すら見えなくてとても暗い。
ギリギリで互いの顔が見える程度だ。
「はい、他のみなさんももう始めているみたいですので」
皆さん…？
私が首をかしげるのと同時に、後ろに跳んだ風君。
「今の実力を把握しておきたいです。聞けば体力面は申し分ないと？」
この場合聞いた相手はリボーン君かな…。
リボーン君の名前を聞くごとに彼への疑問が多くなるが、考えている暇は無さそうだ。
「スタミナはある方だとは思いますけど…」
「何か武道や格闘技を習ったことは？」
「…ないです」
「武器はその学生鞄ですか？」
頷いて、今日は使わなかった鞄を握る。
武器と言えるかは謎だけど、すっかり攻撃や防御の要となったそれは、いつもは持っているだけで筋トレになるほどの重量がある。
フム、と顎に手を当てた風君。
「では実際に手合わせしてみましょう」
「えっ！？」
鍛えるってことは修行を始めるんだよね？
修行ってまず必要な部分を鍛えたり、どんな感じで強くなるか、とか考えたり…。
修行なんてしたことがないのでわからないが、アニメや漫画ではそれこそ筋トレとかで…
「少し粗略ですが時間もないので、」
課題を決めていきましょうと言った風君に戸惑いながら頷いて、肩に乗っているリーチを見る。
「邪魔にはなりません、そのまま肩に乗せておいてあげてください」
「はい」
二人で苦笑して、わからぬままに鞄を構えてみる。
立ったままの風君を見つめて…。
見つめて…。
「…どうぞ」
「…ど、どのタイミングで出ればいいですか」
は？とポカーンと可愛らしく口を僅かに開けた彼の初めてみる見た目年齢に合った表情に、恥ずかしくなる。
今まで追いかけられてからもつれ込むように攻撃に転じていたので、向き合った状態からだとわからないのだ。
「すいません…」
「いえ、これも課題ですね。…リボーンがなぜ私を貴方につけたのかわかった気がします」
風君が弱ったように笑った。
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サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
