勝った…。 ページ29
沢田綱吉side
「それにしても、まるで風の守護者の闘いのために作られたようなフィールドですね」
臆面もなくそう言ったフォンに、「今さらか」とリボーンが呆れた声を出す。
「風の守護者のために…？」
「ファミリーの危機をいち早く察知し…ってところだぞ」
次々と矢で地面が埋められていくフィールドは、最初からあまり広くなかったのもあって足場が少なくなってきている。
そんな中で、また一定の拍を取らずに降る矢の雨を避け続ける先輩は、傷一つついていなかった。
「危機を…察知」
「ツナの超直感じゃねぇが、Aの危機察知能力は普通の人間では感じ取れないものを感じとる見てぇだな」
「俺も覚えがある」と笑うリボーン。
「チッただの勘ってことじゃないですか」
先輩の余裕を見たからか、悪態をつき出す獄寺君に苦笑する。
「俺も大方勘みたいなものなんだけど…」
「じゅっ、十代目の超直感はあんな女のでたらめな勘とは比べ物にならないほど素晴らしいものです！！！」
焦ったように言い切った獄寺君。
フィールドの中では、真っ直ぐにナルドを見据えた彼女が、その包帯を巻かれた足を一歩踏み出した。
「早い…」
隣で真剣な表情で彼女の動きを目で追うバジル君がボソリとそう言った。
「どうやら、彼女はもう目の前の彼のことなど見ていないようだ」
仕様がない子、というように笑うフォン。
まるでずれたシルエットを追うように早くなっていく攻撃が、ナルドに当たる度に鋭さを増す。
けれど、動きは確かに似ているのにどこか美しく感じるのは、彼女の師匠だと言う彼の影響だろうか。
彼女の結ばれた髪が目元を隠す。
見えた口角がゆっくりと上がった。
ピタリ、とパズルのピースがはまるように重なったヒバリさんのシルエットに目を見開く。
あ…。
「カハッ」
アッパーカットの要領で彼女の右の刀が、ナルドの巨体を突き上げる。
スローモーションのように目に写る映像の中で、キラリと光るものが空を舞う。
パシリ、と彼女が目前に落ちてきたリングを掴みとるのと同時に、重い音をたててナルドが地に伏した。
勝った…。
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サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
