確かにその背中はとても逞しい。 ページ22
沢田綱吉side
黒のチャイナ風のジャケットを靡かせた藤咲先輩が、一人のチェルベッロによって開かれたフィールドに入っていく。
「ぬっ！まだ円陣を組んでいないぞ！！」
騒ぎ始めるお兄さんはどうやら藤咲先輩と知り合いのようだ。
お兄さんの声を遮るように無情にも閉められた扉。
フィールドに入った瞬間藤咲先輩の顔が強張る。
早々と進んでいく展開に、ハッとしてリボーンに詰め寄った。
「な、なんで藤咲先輩が風の守護者なんだよ！俺一回も話したことないのに！」
並盛の学校でヒバリさんと同じくらい有名な藤咲先輩のことはもちろん俺だって知っている。
この並盛中、いや並盛全域において唯一ヒバリさんに張り合える、というか物怖じしない生徒だ。
彼女が尋常じゃないスピードでヒバリさんと鬼ごっこをしている姿を見たことのない生徒は恐らく並盛にはいないだろう。
現に隣でお兄さんと一緒に騒いでいる獄寺君や山本も知っているみたいだし…。
チラリと離れたところにいるヒバリさんを窺う。
ジッと藤咲先輩を見ている彼の表情からは、何を考えているかは読み取れなかった。
唯一先輩を知らないバジル君が俺の言葉を聞いて驚いている。
「A以外に風を担える奴はいないからだぞ」
簡潔に答えになっていない返事をしたリボーンが、藤咲先輩と来た赤いおしゃぶりを下げている赤ん坊に視線を移す。
コロネロが近づいた時と同じように二人のおしゃぶりが発光している。
「はじめまして、
にこやかに名乗ったその赤ん坊にホッと息をつく。
今までのアルコバレーノとの出会いを思いだし、少し警戒したのだがどうやら穏やかな性格みたいだ。
「準備万端みたいだな」
俺からすれば恐怖でしかないリボーンの笑みにコクリと頷き返して、余裕のある表情で口を開く。
「まだ成長途中ではありますが、ね」
「なるほどな」
親しげな二人が意味深に笑い合うのを見て首を傾げる。
強く、なったんじゃないの…？
不安になったのがばれたのか、リボーンに小突かれた。
「まだ強くなれるって意味だぞ」
リボーンの前向きな言葉にガラス越しの藤咲先輩を見る。
スカートの裾から見える包帯と頬に張られた絆創膏が俺らと同じ彼女の数日間の修行を思わせる。
今回もまたチェルベッロが用意した仕掛けに動揺しながらも軽々と避けて見せた先輩に期待が高まった。
確かにその背中はとても逞しい。
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サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
