果たし状か何かだろうか。 ページ1
「A〜！貴方宛に手紙が届いてるわよ〜？」
大層な手紙ねぇ、と不思議そうな母から寝起きのパジャマのまま白い封筒を受けとる。
ドラマなんかで見たことのある真っ赤な封蝋が押された封筒には、スラスラと流れるような外国語が記されてある。
その一番分かりやすいところに書いてある唯一の日本語は、確かに私の名前だった。
「なにこれ？」
私にはこんな何語かもわからない言語を扱う友人などは存在していない。
イタリアから来た不自然な赤ん坊なら知っているけれど…。
あれ？封蝋ってヨーロッパで主に使われていた密封の証拠みたいな感じじゃなかったっけ。
雪夜がうんちくを語っていたような…。
イタリアってヨーロッパの国じゃ…
いやいや、まさか。
前回の並盛生暴行事件がリボーン君達関係だったとしてもちょっと過敏になりすぎでしょ。
首を振って、封筒を持ち直すと、何か固いものが指先に当たった。
どうやら小さな石のようなものが中に入っているらしい。
通りで紙にしては重いと思った、と日本の一般庶民である私ではあまりお目にかかることのない高級感を漂わせる封蝋を剥がした。
もちろん封蝋に刻まれたなにやらオシャレな紋章など気にもとめずに。
コロリと紙の中から滑り落ちてきたのは指輪。
それも欠けた指輪だ。
手のひらにある小さな指輪に困惑しながら、ひっくり返した時に僅かに見えた便箋を取り出す。
そこには、一文だけ、それも綺麗な日本語で綴られていた。
「並盛公園で待つ？」
果たし状か何かだろうか。
その一文がかかれている以外真っ白な便箋と欠けた指輪を交互に見る。
もちろん指輪に見覚えなどないので、プロポーズでもする相手を間違えたのだろうかと深読みする。
けれど、わざわざ欠けた、それもこんなゴツい指輪を結婚指輪として渡すつもりなら確実にそのプロポーズは成功しない。
と、想像をしてみたところで封筒に書かれた名前は私の名前なのだ。
差出人を間違えたなんことはあり得ないだろう。
「A早く朝ごはん食べちゃいなさい」
行くべきか、行かざるべきか…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラダ(プロフ) - 果蓮さん» ありがとうございます！ある意味この作品の中で一番の拘りである距離感に気づいてくれて嬉しいです笑ゆっくりとスローに近づいて行く二人をどうか見守っていてあげてください。 (2019年2月11日 11時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
果蓮(プロフ) - 初コメ失礼します！マジ尊い…。その一言に尽きますね、何なんでしょう…主人公ちゃん可愛すぎません？雲雀さんとの関係性というか距離感というか、もうすごい好きです！応援したくなるような主人公ちゃんなので、これからが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 01d37867c6 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - もこさん» 有難うございます！風さんのキャラがいまだに私のなかで定まってなくて悩みましたが、こんな感じかな…って思ってます。それはよかったです。その想像を越えるほど強くなろうねっ！主人公ちゃん！！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！言語違うの忘れちゃってる風さんめちゃくちゃ可愛いです、笑 これから主人公ちゃんは色々な経験をするんだろうなって想像するだけでとても楽しいです…！ (2019年1月23日 20時) (レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サラダ | 作成日時：2019年1月22日 22時
