子猫、拾いました

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「由佳さん、ちょっといいですか？」

『何です？』

「課長が呼んでいましたよ、話があるって」

『ありがとう』

この人は大橋さん。何か、先月彼女にふられたんだとか。

性格がよく、それでいて真面目な人。

って言うか、私は課長からの呼び出しが大嫌い。

正直、呼び出しを食らうのは怖いんだけどね……。



『失礼します』

「市川君、待ってたよ。話って言うのは、今度やる、説明会を任せたいと思って」

……は？

「君の実力なら、絶対にできると思ってな」

『私よりも、腕のある人はいると思うのですが……』

「君はまだ若い。だからこそ、任せてみたいのだ」

そんな風に言われたら、私は否定することができない。

これが、私の弱い所でもあるのだけど。

『……わかりました。やってます』

「頼んだよ」



「由佳！」

『香菜先輩……お疲れ様です。休憩ですか？』

「そうだよ！てか、次の仕事、由佳が担当なんだね！頑張ろうね！！」

『はい……って、香菜先輩も一緒ですか？』

香菜先輩がいっしょだと、心強い。駆け出し社員としては。

ただ、先輩だから、逆に緊張するんだけどね……。

「そうだよ。若いから、床に任せてみたいとか言ってたし、課長も」

『聞いたんですか……。正直言って、凄い不安です』

「大丈夫、何かあったら、人を頼ればいいんだから！」

『香菜先輩を頼りにしてますから、大丈夫ですね！』

「由佳ったら……。でも嬉しいよ、ありがと！一緒に頑張ろう？今日からだって」

『え、今日からですか？』

課長、せめてもう少し早く行ってくださいよ……。

「いつもああだからね(笑)」

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