まずは映画を見に行きませんか？【名前変換オリジナル】

夏祭り準備4 ページ41

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木村先輩と女性の背中が小さくなっていく。…とりあえず歩こう。


『どこの屋台も出来上がってきてる…』


夏祭りまでは、後3日。やっとここまで来た。約1ヶ月前から係ごとに分かれて多くの仕事があった。正直、目が回るかと思うくらい忙しかった。おかげで光原先輩とは、オリエンテーションでの最低限の会話しかできていない。


？「すみません、あなた見回り係さん…だよね？」


振り返るとそこには、恰幅の良い男性が立っていた。あっ！この人…


『はい、見回り係です。あなたは…司会のかた、ですよね？』

大門「おっ！そうだよ！5.6年前からずうっとこの大学のステージの司会を務めている大門だ！よろしくね！」


大門さんは私の手を取り、半ば無理やり握手をしてくる。


大門「あぁ、そうそう！渡されたマイクの電源がねぇ、点かないんだよ！！」


マイクの電源部分をカチカチして私に見せつける。


大門「他のがないか、ステージ係の子に声をかけようと思ったんだけど…姿が見えなくてねぇ。そしたらその、ピンクのタスキが見えたから来たんだよ」

『わざわざすみません。私がインカムでステージ係に…』

大門「あぁ！いや！えっと…機材係？さんに直接頼める？俺の名前出していいからさ」


大門さんが、にい、っと笑顔になる。機材係…。あっ！光原先輩だ！


『わかりました…！…機材係、機材係。見回り係の春野です…！今、よろしいですか…？』
紘基〈こちら機材係、光原です。春野さん、どうぞ〉


うわ…！本当に光原先輩の声だ！！…ううん、駄目！ちゃんと話さないと！


『司会の大門様から、無線マイクの電源がつかないとのこと。代わりのマイクありますか…？』

紘基〈…。ステージに何本かあるはずだけど…ステージ係は？〉

『姿が見えなかったそうで…直接、機材係にと大門様が…』


あれ？なんか光原先輩、声のトーンが低くなったような…。

―――
大門

この大学の夏祭りにて6年前から司会を務める地方タレント。紘基と何か関係がある…？

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