まずは映画を見に行きませんか？【名前変換オリジナル】

自問自答 ページ34

.



『今までは気づかなかったな。白くて綺麗だって思ってたのに。……あ、』



私の学生執行部への気持ちもこんな感じだったのかな。成長したいとかみんなの役に立てる人間になりたいとか、そういう純粋な思いと、光原先輩に近づきたい、魅力的に思われたい、っていう自分勝手な思い。

学生執行部に入ったときは純粋なのが大きくてそっちの気持ちしか見えてなかった。でも自分勝手な思いが大きくなって…それに今更気付いた、みたいな。

…私は、光原先輩が言ったみたいに、執行部に居たら駄目な存在…？



『…でも、やめたくなんか、ないよ…』


ーーーーー


『あ゛ーーー』



なんっにも考えたくないわーー。

ベッドの上にグデンと寝そべり天井を見つめる。

ため息やらなんやらが口からこぼれまくる。



『…。ちゃんとした理由で入ったのに、いつの間にか光原先輩だけが、仕事をする理由になってたのかな』



そんなつもりはなかった。…いや、こんな言い訳通用するわけない。

でも執行部を辞めたくはない。続けたい。…どうやってこの気持ちを整理すればいいんだろう。



『お母さんに相談する…？でも頼ってばっかりじゃ駄目だしな。…あ、そっか』



執行部を続けてたのは、ここ最近もっと仕事を頑張れてた理由が、光原先輩のためだけじゃない、っていうことを証明すればいいんだ。光原先輩にも、自分にも。



『でもどうやって…？』



その時、部屋に着信音が響き渡った。反射的にその電話を取る。



『(あっ、誰からの着信か見てない…！)』

？「もしもし母さん？卵、何個入りか書いてなかったけど10個入りでいいんでしょ？」

『(え…。この声…)』



パッと携帯画面を見ると、そこには「紀元律」と表示されていた。



『えっと…多分そうじゃないかな？』

律「え…？……。うわぁ！」

『あ…笑』



電話越しでも紀元くんの焦った声はわかりやすくて。珍しいそんな声についつい笑ってしまった。



律「春野さん！？ごめん、なんか押し間違えたみたいで…その、母さんに掛けるつもりだったんだけど…」

『大丈夫だよ笑 買い物中？』

律「うん…バイト帰りでおつかい頼まれてさ」

『そっか…。お疲れさま』

律「…。春野さん、何かあった？声が…なんかそんな感じ」

『…明日、学校で相談していい？』



良かった。紀元くんがいてくれて。



.

キラキラ→←半分不正解、半分正解

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す