まずは映画を見に行きませんか？【名前変換オリジナル】

言っちゃったー！！ ページ27

.


夏希「皆さん、企画ありがとうございました。時間も遅いので企画決定は次回に持ち越しましょう。お疲れ様でした」

「『お疲れ様でした！』」

『あっ…。外真っ暗だ…』



時刻は19：30。窓の外は暗闇に包まれている。いくつか立っている電灯が無ければ、足元もおぼつかないだろう。

…まぁ、怖いないといえば嘘になる。



紘基「あれ、春野さんってどうやって帰るんだっけ？バス？」

『いえ、自転車です。光原先輩は？』

紘基「俺は車」



車…！



『光原先輩って免許持ってらっしゃるんですね！』

紘基「…あー。春野さん見たことないんだね」

『え？』

紘基「駐輪場まで送るよ」

『え！？！？』

紘基「そんなビックリしなくても笑 俺が送るの、嫌？」

『ぜ、全然嫌じゃないです！！』

紘基「じゃあ行こうか」

『はい！！』



やったー！！！光原先輩と一緒に帰れるなんて！！…駐輪場までだけど。でも幸せ…！！



紘基「…なんか嬉しそうだね？」

『えっ！？いや…その…。あっ、皆さんの出した夏祭りの企画が面白くて今からワクワクしてるので…！』



いやいやいや…流石に言い訳が厳しい…。



紘基「わかるよ。本当、皆さん優秀だよね。企画の趣旨聞くだけで、楽しんでる人の顔浮かぶっていうかさー」

『(いけたー！！)そうですよね！光原先輩の企画もすごかったです！ヨーヨーフォトジェニック。若い女性層に確実に響きますよね』



やっぱり経験値が違うと出せる案も全然違う…。今日でそれを思い知った。



紘基「春野さんの、親子で作る創作綿あめも良かったと思うよ？」

『ありがとうございます…』



また褒めてくれた…。光原先輩は本当に優しい…。

ふと、隣で歩く光原先輩の横顔を見上げる。



『(あぁ、やっぱりかっこいい。かっこよくて、優しくて…)好きだなぁ…』

紘基「…え？」

『え？……あ』



待って嘘でしょ。もしかして…



『声…出てました…？よね…？』

紘基「…そう、だね」

『あ…あ……ごめんなさーーい！！！！！』

紘基「え？あ！ちょっと、春野さん！！」



やばいやばいやばい…。声出てた、ってことは実質、告白したってことだよね…。しかもあの中途半端なタイミングで？？なんでなんだよ！私！！

全速力で駐輪場に走り、自転車に飛び乗った。そのままペダルも、って…ナニコレ、デジャヴ？？



『お母さーん！私、どうすればいいのー！！』

.

案外、選択肢は少ない方が楽だったりする→←初仕事を終えて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す