初仕事4 ページ25
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紘基「確かにそうだ。その点では勉強不足だね。それに学生執行部以前に、この大学の学生としてホームページに載ってる情報を知らないのは良くない」
「ほ、ほら!やっぱりそう…」
紘基「でも今回は俺の管理不足もある。春野さんにはノートを見て勉強するように言ったからね。創設年、創設者のこともノートには書いていなかった。答えられなくても仕方ない。
それに、さっきの君がした質問以外は春野さんはきちんと答えてたんでしょ?…そう言ってたよね?」
光原先輩の目線が紀元くんへと移る。
律「はい。春野さんは皆の質問にきちんと答えていました」
紘基「うん、俺もそう思うよ」
『え…?』
嬉しい…。
…きっと、あの男子たちは自分たちを除けて学生執行部になった私が気に食わないんだ。…あんな態度を取ってしまうほど、学生執行部になりたかったのかな。そう思うと、嫌な気持ちになりきれない自分がいた。
もし私が逆の立場でも、意地悪な質問がしたくなるかもしれない。なれなかった自分が悔しくて、なれた人が羨ましくて。
紘基「…君たちは個人的な思いもあるんじゃないの?春野さんに」
「!!は、はぁ?なんですか、それ?」
紘基「そう?だって君たちは、学生執行…」
『光原先輩。もう、大丈夫です』
紘基「え?」
私は一歩前に出て彼らを見つめた。
『先ほどの質問、答えられなくてすみませんでした!悪いのは、私の勉強不足です。たとえ先輩から指示されなくても、ホームページやパンフレットは読み込むべきだとお二人には教えて頂きました。ありがとうございます!』
「「っ!」」
紘基「!…」
下げた頭を上げ、私のグループになった皆を見渡す。
『私はまだ、学生執行部になったばっかりで構内のことも勉強し始めたばかりです。未熟です。皆さんにとって、すごく頼りない存在です。
でも…でも私、頑張ります。皆さんのためにも自分のためにも、この大学のこと一生懸命、勉強します!今度の構内案内では、答えられない質問はないってくらい準備してきます!
なので…次もよろしくお願いします!!』
頭を下げて聞こえてきたのは…拍手だった。驚いて皆を見ると、笑顔で拍手をしてくれている。
「チッ…」
男子たちは居心地が悪そうだ。
そういう人たちにも認められる人間にならないと…!
紘基「…やるじゃん」
『!』
あっ、泣きそう。
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時