進撃の巨人ー奪われる翼ーFinal (ページ19)

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Episode 8 2人の日常生活ページ19

＊…リヴァイside…＊

あいつよりも、早く起きようと思って夜明け前に起きてみた。

やっぱりAは起きていなかった。

俺は紅茶を淹れたコップを片手に、バルコニーに出た。

空はまるで、巨人がいるなんて嘘のような色をしている。

幻想的で、儚い。

この壁のせいで地平線から太陽が昇ってくるのは見えない。
壁の無い世界が訪れる日は来るのだろうか。

俺もAも人類に心臓を捧げると誓った兵士。

いつ、どこで、どの様にして死ぬのか、予測不可能だ。

俺たちで巨人を絶滅させて、壁の無い世界を見せてやりたい。

不思議とそう思った。

かたっと音がして振り返ると、まだ半分寝ているだろって顔をして突っ立っているAがいた。

A「おはよう、リヴァイ…」

こいつ大丈夫か？

目開いてんのか？

すっかり冷めてしまった紅茶を飲み干し、俺は近づいた。

リ「おはよう」

そう言って、全開のでこにキスを落とした。

リ「まだゆっくり寝とけ」

するとAは顔を真っ赤にして、ソファに座った。

リ「今日、時間あるか？」

そう聞くと少し悩んだ顔をした。

A「午前と午後に立体機動の訓練があるから…夜しか空いてないんだけど…」

申し訳なさそうな顔をして俺を見上げる。

リ「そうか。なら訓練に励め。」

ごめんねとAが言って朝食を作り始めた。