37 神楽小夜 ページ40
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一年半前、島崎ユウトが如月学園の生徒だった頃だ。
「実験は順調か。」
「はい、問題ありません。」
「続けろ。」
「はっ。」
我々Sクラスは、正しきこの世の未来の為に、様々な手段を選ぶ。例え人が死のうが、大切なものを失おうが、そんなこと関係ない。
そして、新たなSクラス学生が入ってくるのだが、どうもそいつは厄介な人間だった。
「うわああああぁぁ！！！！っっああ！！」
「まだアイツは我々に逆らうのか。」
「見ての通りです。」
僕は下を見下すように彼を見つめた。彼は椅子に座らされ、頭に洗脳兵器を被っている。死んでしまいそうなほど苦しんでいた。頭の中をいじるだけでも頭痛が酷いらしく、手足をジタバタさせて暴れようとしているつもりだろう。だが動けない。嗚呼、なんて惨めな姿だろうか。
「俺はあぁ！！俺はこんなの絶対にいぃ！！
ううぅっ！！ああああああああああぁぁ！！」
「神に近い存在として、新しい自分として生まれ変わるんだ。そのことを自覚したまえ。」
「知るかあぁ！！そんなもの望んでねええぇ！！」
「...電力を更に上げろ。」
「えっ...は、はっ！」
「ああああああああああああああああああああぁぁぁ！！！」
電力を最大限にまで上げてまで、彼は死にはしなかった。普通のゴミクズ共なら即死しているはずなのだが、彼は違った。
素晴らしい、人間を超える耐久力を持つなんて、君こそ、君こそが...！
「...君こそが、神に近い存在だ！」
「っ！！お、俺が？俺がか！？」
「そう...君は選ばれたのだ、神に。」
電源を切り、実験は終わった。彼は落ち着いた様子で僕の話を聞いていた。そう、脳みその中は空っぽなのだ。クズの考えを捨て、本当の人間としての自覚を持ち始めたのだ。
...それなのに、Weiβめ。
ヨコハマの武装探偵社とポートマフィアを連れて洗脳を解こうとするなんて...。池田ハル、お前はシュバルツのシュルディッヒ同様の能力を持ってるなど...もし奴に洗脳を解かれたら...。
「目を覚まして！ユウト！ユウトぉ！！」
...だが安心したまえ、島崎ユウト。お前には
お前は
「...ハ...ル.....。」
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作者名：神楽小夜・コハル | 作者ホームページ：
作成日時：2017年1月14日 12時
