35 神楽小夜 ページ38
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アヤside
「はあ...はあ...何だよ...それ...。」
目の前でくたばりかけるユウト。でもそれはまるでこちらの状況を見て楽しんでるようにも見える。何をされたのかわからない以上、何を仕掛けてくるかわからない。
「はは...ははは...最高だよ!これが愚図共の集まりによって出来る物か!?面白いよ!なあ!」
...駄目だ、天宮マイよりも酷くなっている。あのコンピュータを壊さないと...。だが一部が壊れてもまた修復してしまう性能がある。しかもビル以上の大きさだ。どうすれば...。
「どけアヤ!」
「っ!ケン!」
「ああ...?爆弾か?」
ケンは予め用意した手榴弾を投げる。マンクスが色々と用意してくれたらしい。ありがたい。
「そんなちっせえゴミで...っ!?」
中也の能力を使おうとしたのだろうか。それを阻止するように、ヨージがワイヤーでユウトを拘束する。手榴弾は機械の方へ転がる。
「っ!やめろぉ!」
その時手榴弾が爆発した。...が、それでもコンピュータは壊れることは無かった。ただ、周りにいた学生やユウトは吹っ飛び、ユウトはその衝撃で吹き飛ばされて床に擦ってしまう。
「っ...母さん...。」
《ユウト!》
我が子を心配するかのようにユウトの名前を呼ぶコンピュータ。アレを壊す方法が無いのか...。
「へへっ...心配するな...俺の使命は...ハルを守...え?」
...今、何と言ったんだ?彼の口から思わぬ言葉が零れた。
「っ!!何を言ってるんだ俺は!違う!!俺は神になるんだ!そしてあらゆる人々の欲望を叶え、世界を変えるんだ!!
何が言いたいんだ...俺は...クソォっ!!」
突然誰に言ってるのかわからない独り言が始まった。いや、これは独り言などではない。これは...ユウトの中にいる"反抗するユウト"がいるのだろうか。ならば、あの時のようにすれば...!
「ハル!あの時みたいにユウトの頭を覗いてくれ!アイツの本心を引き出してほしい!」
「えっ?で、でも...。」
「手前!それではこの仕事が終わんねえし、ユウトが救えねえじゃねえか!」
「中也さん...。わかりました、何とかやってみます!」
「頼む!俺達はこっちを止める!」
《学生No.05687島崎ユウト、命令に背くことは許されません。》
「っ...ユウト、本当はどう思ってるの?」
そしてハルはユウトの本心を覗き始めた。
__異能力【第三の目(サードアイ)】
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作者名:神楽小夜・コハル | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月14日 12時