14 コハル ページ17
おかしい。鷗外様はこんな事しない。
仮に之れがポートマフィアの仕業だとしたら、するのは梶井さん辺りの筈。
でも、先の声は梶井さんでは無い。
…確かめなきゃ。
私は観覧車の扉を蹴り、無理矢理開けた。
「…ハル、何を」
後ろで驚いているユウトを抱き抱える。
『_ユウト。
舌噛むから、喋んないで』
そう云うと、私は飛び降りた。
もう一度云おう、観覧車から飛び降りた。
かなりの高さから飛び降りたからか、加速が半端ない。
「ハル!此の儘だと地面に叩きつけられるんじゃ」
そんなの私だって分かってる。
だから、
『中也さん!異能力!』
大声で叫んだ。
「…っち、手前は何時も無理して!」
___異能力【汚れつちまつた悲しみに】
中也さんに重力を弄って貰い、ふわり、と着地する。
『流石中也さん、タイミングバッチリでした。』
「…弟子の命懸かってんだ。タイミングミスる訳ねェだろうが。」
そう云い、私の額をこつん、と突く。
『有難う御座います、"師匠"』
「…!おう。」
『ユウト、此処で待ってて。
姐さん!ユウトの事宜しく!』
ユウトを降ろし、駆け出す。
私の勘だと、放送は迷子センターから。
次の被害が出る前に、急がなきゃ!
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「…手前が島崎ユウトか?」
「其れが何だよ」
「…思ってたよりヘタレでは無さそうだな。」
「同い年か年下かも解らねぇお前には云われたくない」←
「五月蝿ェ!俺は既に成人してる!」
「…すまんのお、うちの中也が」
「こんなに美しい方に謝られては此方も困ってしまう…」
「ヨージ君はブレないなあ。そう云えば、彼の子、此方に最初から気付いてたよね」
「「「「あっ…」」」」
「ハルの勘は恐ろしいほど鋭いからのお…」
「彼奴は侮れねェな…」
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作者名:神楽小夜・コハル | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月14日 12時