テンション爆上げで。【あんスタ】 (ページ7)

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06:吸血鬼の先輩ページ7

入学式から早数日。白喰は意気揚々と、とある場所に向かっていた。途中で会った友人が楽しそうだねと言い、白喰は、うんと笑った。

そして、とあるドアの前に立ち、勢いよくドアを開ける。中に居る人物がすっとんきょうな声を上げるが、白喰は気にせずに、失礼しますと言って中に入る。

「あの！朔間先輩は此処に居られますか！」

目的の人物の名前を呼ぶと、顔を伏せていた生徒が顔を上げ、ゆるりとこちらに目を向けた。生徒ーー朔間零(さくまれい)、自分に何の用だろうと首を傾げる。白喰はそんな朔間に気がついたのか、座っている席までやって来る。

「あの、朔間先輩ですよね！」
「？そう、じゃが……我輩に何か用かえ？」
「はい！実は、先輩のユニットに入りたいなあと」

思いまして。きらきらと輝く目で、白喰が目的を伝える。朔間はそれを聞いた瞬間、目を細め、ほお、と、呟いた。きらりと赤色の目が光る。
聞こえた教室の一部の生徒は、彼奴まじかよと呟く。

「何でじゃ？」
「え？」
「何で、入りたいと思ったのかのう？」

何で入りたいのか。白喰はきょとん、とした顔で首を傾げた。それから、口を開く。答えはもう決まっている。

「単純に、入りたいなって思ったからです。実は前に、先輩方のライブを観たことがあったんですけど。その時、凄いなって、自分もこんな風になりたいって思ったんです」

まああやふやですけど。照れたように笑って、白喰が言う。その内容に朔間は数秒黙り込み、そうかのうと呟いた。

「他のユニットの方が、お主を輝かせられるのかもしれんぞ？」

これは賭けだった。朔間は、入れてしまうのは駄目なのではないかと思った。今此処で入れるのを決めてしまえば、他にあるであろう選択肢を、未来を無くすも同然。

だから白喰に問うた。答えによっては、入れないつもりで。けれども、白喰は首を振り、それでもと言った。

「俺はあなたのユニットに、UNDEADに入りたいです」
「……そうかえ。……すまんが、我輩一人では決められん。じゃから、三日後、来てくれんか？」
「！了解っす！じゃあ三日後に！あと、俺は一年A組、白喰明音って言いますんで！ではっ」

来た時と同じく、いや、それ以上に勢いよくドアを開け、白喰が教室を出ていく。生徒達は、何だったんだと首を傾げていた。

そんな中、一人の男子生徒が朔間に近づいて、良いのかと聞く。けれど。

「……賭けてみようかと思ってのお」

そう言って、朔間は笑った。