私である意味 (ページ9)

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その言葉を最後に芥川は太宰さんに背を向け帰っていく

『あの、太宰さん』

控えめに声をかける

「なんだいAちゃん？」

『その虎の少年は太宰さんが守ってあげるんですか?』

聞いてしまったからには後戻りは出来ない

「もちろんだよ、私にも守るものができてね」

そうですよね、あんな昔のこと貴方はとっくに忘れていてもおかしくない

『そ、そうですか』

「おい、何をしているA帰って首領に報告だ」

太宰さんと別れるのが名残惜しくうじうじしている私に芥川が声をかける

『では太宰さんまた、』

もう、4年ぶりの再開なのに

先刻のこともありおぼつかない足取りでトボトボと芥川の後ろを着いていく

そんなAを見かねて芥川が話を振る

「だから言っただろう太宰さんには関係ないとAが太宰さんの部下だったのはもう4年も前のことだ忘れろ」

なんでそんなことが言えるのだろうか私の気持ちも知らないで

『それでも！私のことを助けてくれたのは太宰さんだった！忘れられるわけないでしょっ！』

『御免、首領に報告お願い』

「え、Aさん！」

樋口ちゃんが心配そうにしているが今はそんなの知らない

ダメだこんなとこ部下に見せてちゃ、もっと強い自分でいないと

「芥川先輩、いいんですか?」

「構わない、首領の処へ急ぐぞ」

それでも樋口の心配は消えなかった

「.....はい」