戦う審神者は元最強剣士。【刀剣乱舞】【鬼滅の刃】

◇廿弐 ページ29

*



加「主ーっ！頑張れー！」

燭「主ー！あっちの僕に負けないでねー！」

山伏「拙僧に勝ったんだ！胸を張って戦うのだそー！！｣

宗「ほら、お小夜も応援してあげましょう」

小夜「…主、がんばれ…」




会場の観戦席で、ワイワイ応援をする刀剣たち。
彼らの主は、フリフリ審神者と二振りを確実に圧倒していた。

ガギィンッ！と真剣が交わる音、ザリッと砂を蹴る音。
今すぐそこで一緒に戦いたいと血が騒ぐ刀剣たちが、真剣にその決闘を見ている。




江「…和睦の道は無いのでしょうか…」

宗三「…これは恒例行事だから仕方がないのですよ」

小夜「…主、強いね」

宗三「そうですね。全く男勝りなお方…」




あれはもう男と言っても良いのでは、とレディに対して
かなり失礼なことを考えている宗三であった。




膝「あっちの俺は随分練度が低いな…もっと出来るはずだろう」

燭「あっ、あっちの僕もろに受けたね。中傷だ」

蜂「面白いくらいスパッといくね、主」

長「あの手首の角度…そして次の技を繰り出すための体の捻り…なるほど…」




双眼鏡を覗き、体を乗り出して決闘を眺めてるこの四振り。
周りを見てもこんな人たちはいない。この四振りだけ。
目立ってるよ、すごく。




同「軽やかな身のこなしだな。ああいう所は女なんだな」

和「お前ずっと主のこと男だと思ってたのかよ」

同「あんなん見せられたら男だと思うしかねぇだろ」

堀「二振りともやめましょう？主はれっきとした女性ですよ！」




すかさず宥めに入る堀川。
なんだろう、堀川のこの団地妻みたいな雰囲気。((


・


そうこうしているうちに、Aが地面に座り込んで睨みつけているフリフリ審神者の前に仁王立ちして刀を向けていた。




『どうしましょう、まだやりますか？』

「…ｸﾞｯ…！！この…っ、女狐がっ！！！」

『私が与えた返事の選択肢は、はいかいいえです。どちらかでお答えください』

「…ﾌｰｯ、ﾌｰｯ…」




Aを睨みつけ、歯を食いしばって肩で息をするフリフリ審神者。そうとう悔しいのか、刀を持つ手がギリギリと音を立てている。




『黙り込んだということは、いいえという意味でよろしいでしょうか？そう解釈しますよ？』

「……勝手にすれば」

葉「勝負あり！」




葉澄さんが声を上げ、この決闘は幕を閉じた。

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