#愛され呪術師 【呪術廻戦】

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そのことを見越した伏黒が、さらに眼光を鋭くしていた______そのとき。






______っﾊﾟｧﾝｯ!!





悠仁「！？！？！？」





______目の前で、一体の呪霊の頭が弾けとんだ。

悠仁は驚きのあまり声にならない声を上げる。
そんな悠仁と＿それから伏黒へ、ある声が飛んだ。





「______恵、虎杖くん！！早く先行って！！」





Aの声だった。

その頬には赤いものがかすかに付いている。
手には血が滴り落ちる2本のナイフ。




さっきのは______Aがやったのだ。





伏黒「ッ、だが……！！」





コイツらは2級だぞ。

そう言おうとする伏黒へ、Aが呪霊の攻撃を交わしつつ答える。





「呪術使わなくても足止めくらいはできるから！！
早くしないと、虎杖くんの先輩が死んじゃうかもしれないんだよ！？！？」



伏黒「っ………！！」





飛び散る鮮血、軽やかに舞うA。
伏黒はギリッと歯を食いしばったかと思えば______





ｸﾞｲｯ





悠仁「おわっ、！？」





悠仁の腕を強引に引っ張り、呪霊とAの横を走り抜けた。
後ろを振り向くこともせずに走っていく伏黒に、悠仁が慌てた声で問う。





悠仁「えちょ、Aは！？」



伏黒「……心配する気持ちもわかるが、今はアイツを信じろ。
俺らは学校だ」





真剣な表情でそう告げる伏黒に、なにも言えなくなる悠仁。



分かった、とだけ言うと、伏黒にまた「そこ左！」と駆け出していった。








__________________




____________




______






_______ザシュッ





むごい音が響いたかと思えば、地面に真っ赤な血が飛び散った。

ぼたぼたと血を流し、倒れ、消えていく呪霊の姿。
その目の前に立っているのは、





「……………」





Aだった。
右手に4本、左手に3本のナイフをそれぞれ指の間に挟んで持っている。
そのどれもが、血で真っ赤に染まっていた。





最後の呪霊が完全に消えたのを確認すると______





「……………はぁ、」





その場にへたり込んだ。

手に持っていたナイフは自然と消える。
一息ついたAは頭を押さえた。





「……いったぁ、」





押さえた部分からは血が流れ落ちており、そのうえ右腕も軽く損傷している。
さすが2級だなぁ、とAはひとり苦笑いを溢した。



…Aの呪術を使いさえすれば話は別だったかもしれないが。

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