File 37 ページ45
高槻「君は不幸の手紙が『知らないうちに鞄に入っていた』と言いながら、災難が起こりはじめたのは水曜からだと明言した」
難波を見つめながらそう告げる高槻。
すると難波は、「…実は、」と口を開いた。
難波「家庭教師のアルバイトで、小学校四年生の女の子を教えてて…
俺、彼女が出来てて浮かれてて、それを話しちゃったんですよ。
………その子、俺のことを慕ってるって知ってたのに」
慕ってた……
その女の子は、難波のことがそれほど好きだったのだろうか。
恋愛感情なんだか、ただの大好きという感情なのかは知らないが。
尚哉「……差出人は、小学生？」
尚哉がとりあえず、と聞くと、難波は「だと思う、」と苦笑いして返した。
Aはその様子を見て微笑む。
高槻も同じように微笑むと、難波に言った。
高槻「もう呪いを恐れる必要はなくなったね」
難波「……はい！」
難波は大きく頷いた。
…かと思えば、
難波「じゃ、もう行ってもいいっすか？
彼女待たせてるんで、笑」
そう言った難波。
相変わらずラブラブなんだなぁ、とか思いつつAが微笑んで見ている間に、高槻が「いいよ」と了承する。
難波「よしっ、」
尚哉「あ、ちょっ」
尚哉が難波の様子に戸惑っていると、難波は手紙をそのまま尚哉に差し出す。
難波「……あげちゃう、笑」
尚哉「え、」
難波「ありがとうございましたっ！」←
そして難波は、高槻たちに頭を下げて急いで研究室を出て行った。
その後ろ姿を呆然と見つめる尚哉と、微笑みながら見送った高槻とA。
尚哉は呟く。
尚哉「……『自分で自分に呪いをかけた』…
……俺、実はこの数日、8年間で初めて“嘘がわかるようになりたい”と思いました」
高槻とAを見ながら、そう言った尚哉。
高槻はにこっと笑うと、「そう」と尚哉とAの間に座った。
高槻「僕たちのために、いろいろありがとね」
尚哉「あ、いや……」
急に距離を詰めてくる高槻に思わず戸惑う尚哉。
と、高槻が言う。
高槻「……じゃあ、この後健ちゃんの所にご飯ご馳走になりに行こうか」
尚哉「……！」
「わ、いいねそれ！」
尚哉も口元に笑みをもたらし、Aもにこっと笑う。
……と、
「……あ、でも、ちょっと寄りたいところがあるんだけどいいかな？」
そう、微笑んで言うA。
高槻と尚哉は、顔を見合わせて首を傾げていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かふぇもか(プロフ) - さらさん» こんばんは！えええめっちゃ嬉しいです私も大好きですよ((やめろ ありがたいお言葉感謝です…( ；∀；) (2021年9月13日 20時) (
レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
さら - こんばんは！！私ももかさん大好きですなので見捨てたりしません！！受験大変ですよね！！私も応援してます！！お体には気を付けて下さいね！！このお話ももかさんのペースで大丈夫ですよ！！いつも更新ありがとうございます！！ (2021年9月12日 23時) (レス) id: d237d559b7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - みーさん» わぁぁ嬉しいです( ；∀；)唯一ここが1番の安らぎ場です…()頑張りますっ (2021年9月12日 21時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - りりりさん» たしかに面白そうですね！！(*'д'*)ぜひ参考にさせていただきますね！できるだけ毎日更新はするつもりです…少しずつ…() (2021年9月12日 21時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - めみこたさん» そうなんですよぉいやぁ勉強がめんどくさいのなんのって(( 語彙力？そんなもの私はどっかに捨てて来ました← (2021年9月12日 21時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かふぇもか | 作成日時：2021年9月3日 20時
