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「どうかされましたか」
すこし頬を紅潮させて頭に手を置きながら蘭はいう。殺気とは打って変わって可愛らしいかがみ混み方である。
「あーいやいや、別に...でも、ほらな、お前って大分一人でいたみたいだしよく頑張ったんだなと思って」
沈黙が流れた。気まずい雰囲気の叩��をかきながら黙っていると
「私の悲しみなんて誰にもわかりませんよ」
と蘭は呟いた。
改めて蘭を観察すると小さい容姿に似ても似つかぬ物騒なベルト変わらない表情、どこか大人ぶった敬語にクールで冷静な性格。無理をしているといえばそうである。蘭に立つよう促し、小さな手を握る。いきなりのことに驚いた様子だ。でもほのかに口角をあげて智樹の手を握り返した。
お互いの手には、この絶望的な状況に震えながらも強く何かを求める意志とお互いの疎通を切に願ったあたたかさが篭っていた。
「それにしてもどこから探そうか」
智樹はまたあたりを見回した。
「すいません。その前に一ついいですか」
蘭は手を離して、叫ぶ時のように口に両手を添えた。
「清掃道具さん、お願いしまーす」
うきうきした声でそう言うとどこからともなく箒と掃除機、水の入ったバケツに雑巾と蘭のいう清掃道具たちがやってきた。
本当に来るんだなと半ば恐れつつも感心する。
すこいでしょうと誇らしげに蘭が言う。掃除機に興奮している。いつもは掃除機は来ないらしいのだ。
清掃道具たちは大人しく地についた。蘭はほうきを手に取り、智樹に掃除機を譲った。使いたいのは山々だったのだが、掃除機が体の大きさに見合わないので諦めた。
「さ、鍵探しに向かいましょう」
無表情ながらも蘭がるんるん気分でほうきを持ち上げ天井に突き上げる。チリンと音が鳴った。
「...ちりん?」
ほうきを下ろしまじまじと柄を見つめると、きらりと光る何かが見えた。
「これ鍵じゃないか」
「どうやらそのようですね」
蘭が柄に巻き付いた鍵を手に取る。鍵は金色に輝いている。穴が空いていてそこに青色のリボンが結びつけてある。これが柄に巻きついていた。
「...蘭お前見落としてたのか」
呆れた顔で蘭を見ると怒ったようにして蘭は否定した。いつもは本当に何もついていないただのほうきらしい。蘭の話を信じることにしよう。
「これどこの鍵ですかね...」
「26/1の確率だろ...ほんと最悪」
と言いつつも詰んだと言われる状況からは逃れることが出来、すこしほっとした。
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ハンス(プロフ) - 錯乱懋さん» この度は当作品を閲覧いただき、また、激励の言葉をありがとうございます...!!その言葉が創作の糧になります!!これからもよろしくお願いします。 (2017年8月3日 23時) (
レス) id: c8c85e524e (このIDを非表示/違反報告)
錯乱懋(プロフ) - 世界観ものすごく好みです、更新頑張ってください (2017年8月3日 23時) (レス) id: 61413b54f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハンス(プロフ) - 瑞絋さん» 暇を持て余した愚作にございます...誤字脱字ないようきちんと推敲いたします。日々精進していけるよう努めて行きたいと思います。これからもどうかよろしくお願い致します!!!! (2017年3月20日 16時) (レス) id: 53232f222d (このIDを非表示/違反報告)
瑞絋(プロフ) - ハンスさん» 一日にこんなに沢山かけるの凄いと思います、沢山書いてると誤字は必ず出てきますし仕方ないですよ！これからも頑張ってください、応援してます！ (2017年3月20日 16時) (レス) id: 6e54a0adb9 (このIDを非表示/違反報告)
ハンス(プロフ) - 瑞絋さん» 参加させていただきました。ハンスト申しますハンスと申します。ご一読、ご指摘いただき誠にありがとうございます。誤字!!大変申し訳ありません。私の確認不足です。修正しておきます。 (2017年3月20日 16時) (レス) id: c8c85e524e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハンス | 作成日時：2017年3月18日 18時
