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note 632 ページ33

***








「…」




夢を見ていた。
また誰かの記憶。




『佐野くん笑顔になってくれるになるといいなぁ』


『私にできることしなくちゃ』




強い気持ちに呑み込まれそうになる。




『私も佐野くんの役に立ちたい』


『愛してるよ』




これは…。


この記憶は、私なの?




「…」


『そうだよ』


「!」


『大丈夫怖がらないで』


「…」




また会った懐かしい感じ。




『あの頃よりもずっと強くなったんだね』


「…」


『凄いよ頑張ったね』


「…」


『今のあなたなら佐野くんの役に立てる』


「…」


『でもあなたには心が足りない』


「!!」


『誰かを想う心が足りない…だから分からないの』


「心…」


『ふふっ…だから私の心をあげる…』


「…」


『もう何も背負わなくて良いの。あなたは強いんだから』


「…」


『大丈夫、もっと自信持って』


「っ!」


『あなたはかけがえのない存在だよ』


「…私、が」


『うん。前を向いて生きて』


「…」


『迷わなくて良い、立ち止まったら周りを頼って』


「…」


『皆もあなたのことが大好きだから』


「っ…」




夢の中で何かが自分の中に溶けていくのを感じた。


穏やかな世界だった。




「…」


『ありがとう』



















***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月6日 2時

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