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***
「うっ…!!」
マ「さっきの威勢はどうした」
「っくそ…」
流れでNOとは言えなかった。
そのまま喧嘩に持ち込まれて、
私は佐野くんに手も足も出なかった。
「いやっ!!」
マ「お前さっきのヤツらにやめろって言われてやめてた?」
「っ…」
マ「同じ事されてもいいって事だよな」
「うぁっ…」
逃げようとしてもすぐに捕まえられ、
そのまま締め上げられる。
もしくは殴られる。
いつもの空手の稽古とは違う、
佐野くんの本気。
そもそも私相手で本気出せてるのかすら
怪しいレベルで佐野くんは余裕だった。
「はぁっ…はぁ…」
マ「もう終わりか?呆気ねーな」
「まだ…まだ!」
転んでも力を振り絞って佐野くんに立ち向かう。
「やぁッ!!」
マ「何そのへなちょこパンチ」
「う…」
マ「俺本気で殴ったらお前1発で殺せるけど?」
「…」
胸ぐらを掴まれながらそう言われる。
もう限界だった。
「きゃっ!」
マ「おっ…やっと女らしい声出た」
壁に投げ飛ばされて頭を打った。
痛くて思わず声が出た。
隙を与えることなく佐野くんがヤンキー座りをして
私の顔を掴んできた。
マ「な?分かったろ」
「っ…」
圧倒的すぎるその差に私は震えてしまった。
「…」
マ「…ん、はい終わりっ」
「!」
私が泣きそうな顔をしていたせいか、
佐野くんがすぐに気づいて微笑んだ。
そのままお姫様抱っこされ、
私は佐野くんに掴まった。
マ「よしよし」
「…」
ド「終わったかー」
マ「うん」
もう力が入らない。
ド「コテンパンだな」
マ「まぁ頑張った方だよ」
ド「おい生きてっかー」
「…」
佐野くんに掴まるのが精一杯すぎて、
全然会話が頭に入ってこない。
「…」
マ「ん、寝とけ」
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月6日 2時