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life780* ページ31

***







「…」




休みの日でさえも心が休まらなかった。


私にとってリムル様とそういう事をしてしまったという事実が痛いほど心を抉っていた。


何も手につかず、ただ椅子に座って外を眺める。




「!」




そんな事をしていたらドアをノックする音が聞こえた。




「はい」


ア「ママ、私だよ。入っても良い?」


「アリス…良いよ」


ア「ありがとう」




ガチャっとドアの開く音がすると、
紙袋を持ったアリスが部屋に入ってきた。




ア「今日休みって聞いたから来ちゃった!」


「そうなんだ…お友達と遊ばなくても良いの?」


ア「うん!ママと一緒が良いから!」


「…」




真っ直ぐな笑顔でそう答えるアリス。
さっきまでモノクロの世界に居た感覚だったのに、
アリスの笑顔を見たら急に明るく見えた。




ア「あのね、クッキー焼いてみたの!」


「そうなの?」


ア「うん!ママの手料理に比べたらイマイチかもしれないけど、ママのために頑張って作ったから食べて欲しくて!」


「!…ありがとうアリス」


ア「えへへっ」


「お茶用意するね」


ア「うん!」




私のために…か。


娘にそう言われると泣きそうになる。
グッと気持ちを堪えて私は紅茶を用意した。


アリスはテーブルの上にクッキーを並べてくれていた。
とても美味しそうな仕上がりだった。




ア「じゃーん!」


「美味しそう」


ア「いっぱい食べてママ!」


「うん」


ア「ふふっ」




アリスとティーカップをコツンと合わせ、
穏やかなティータイムが始まった。




ア「♪」


「…」




アリスと一緒だと紅茶も美味しく感じる。




ア「はい、ママ」


「?」


ア「あーんして!」


「えっ」


ア「いーじゃんたまには!」


「あ、ありがとう…」


ア「んふふ」




アリスがクッキーを1枚取って私に食べさせてくれた。
口の中に広がる甘い幸せの味。




ア「美味しい?」


「…うんっ」


ア「良かった!!」




ニカッと笑ったその顔が、
昔見たリムル様が私を褒める時の顔と似ていた。


苦しいけど、幸せな気持ち。

















***

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なる(プロフ) - 早く続きが気になります! (2023年2月21日 11時) (レス) @page30 id: 7de6b03a01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年1月3日 6時

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