検索窓
今日:28 hit、昨日:5 hit、合計:17,437 hit

life540* ページ41

***







『良い決断だ我が娘よ』


「…」




私は結局ウェネト様に逆らえなかった。
何よりリムル様を助けたかった。


きっとリムル様は私を困らせないために、
嘘をついて偶然呪われたと言った。


全部私のために。
ホントに優しい人だ。




「…記憶も、消しちゃうんですか…」


『あぁ。そなたの関わりあるもの全てを抹消する』


「っ…」


『良いでは無いか。子まで授かったのだから』


「そういう問題じゃありません…」


『我には関係の無いことよ』


「…」


『さぁ行くぞ』


「待って!」


『…なんだ』


「お別れくらい、させてください…」


『…ふん。終わったら外へ出るのだ』


「はい。ありがとうございます…」




そういうとウェネト様は
窓を開け1人外へと飛び出した。




「っリムル様!!」


リ「…」




私はリムル様の体を思いっきり抱きしめた。


意識はないけど、
ちゃんとリムル様の体は暖かかった。




「ごめんねリムル様…気付いてあげられなくて…」


リ「…」


「リムル様はいっぱい気付いてくれたのに私っ…」


リ「…」


「大好きだよリムル様…世界で1番だよ」




リムル様の手を取ると自分の指輪と
リムル様の指輪がぶつかった。


これも消えちゃうのかな…、
そう思うと涙が溢れて止まらなかった。


せめてこれだけでも。
そう思い私はリムル様の指輪を外し、
ポケットにしまった。




「うっ…」


リ「…」




追い打ちをかけるように陣痛が襲って来た。
痛みに耐えながらリムル様の頭を撫でる。




「っ…リムル様」


リ「…」


「…私のこと忘れても、私はずっと、愛してるから…」


リ「…」


「いつかまた、リムル様の傍に居られるように頑張るから…だから…っ」




幸せになって。


その言葉はどうしても言えなかった。
だってリムル様と幸せになりたかったのは私だから。


そうなれると信じていたから。


色んな苦しみを乗り越えて、
私とリムル様はやっと家族になれたのに。


何もかもが無かったことになる。


溢れ出る涙と悲しみに耐えられなかった。


子供のように、いつもの泣き虫な私のように、
ただ泣き叫んだ。


離れたくない。
傍に居たい。


その思いが私の心を埋めつくしていった。















***

life541*→←life539*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
228人がお気に入り
設定タグ:転スラ , リムル , Sちゃん
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Lica(プロフ) - 待ってました!やっぱり凄く泣けます!この作品を書いてくださったSちゃんさんに圧倒的感謝です!これからもずっと応援します!! (2022年1月19日 2時) (レス) id: 24e6bf27fa (このIDを非表示/違反報告)
もふゆ - 遅れました!11、おめでとうございます!、、あと無理はしないでくださいね! (2022年1月19日 1時) (レス) @page50 id: d4957ad8a3 (このIDを非表示/違反報告)
もふゆ - 泣きました 。もうなんか記憶なくなる系ってみててすごい辛いというかはやく思い出して!ってなります。これからもSちゃんさんのペースでいいので頑張ってください!これからも応援してます (2022年1月19日 1時) (レス) @page50 id: d4957ad8a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Sちゃん | 作成日時:2022年1月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。