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しばらく歩いた所で私は荷物が重すぎて立ち止まった。
手の痺れが治るまで止まろうと思ったけど、
三途くんは構わず進んでしまう。
待ってって言ってもこれ以上待ってもらえなさそうなので
私はただ三途くんの背中を見つめていた。
「う…ぇ」
少し気を緩めた瞬間、吐き気に襲われた。
多分アルコールのせい。
私は辺りを見渡して近くにあった
公衆トイレへ駆け込んだ。
荷物は外のベンチに置いておいた。
「っ…ゲホッ…」
さっき食べた物全部出たんじゃないかって勢いで
トイレで吐いてしまった。
気持ち悪さは抜けたけど体力が大分持って行かれた。
そして吐き終わって自販機で買った水で
うがいをして外に出た。
「はぁ…」
ベンチに戻るとまた気が抜けて背もたれに寄り掛かる。
アルコール慣れしていない私にこれ以上のアルコールはキツイんじゃないかと心の中で思っていた。
「…」
春「おい何してんだ」
「!」
ぐだっとしていたら私を置いていった三途くんが
戻って来て目の前でヤンキー座りしていた。
「ごめん…」
春「顔色わっる」
「ちょっとトイレで吐いてた」
春「は?」
「気持ち悪くて」
春「馬鹿だなお前」
「ごめんって…休んだら持って帰るから置いてっていいよ…」
春「んな事したら俺がボスに八つ裂きにされんだろうが」
「ふふっ」
春「何笑ってんだ殺すぞ…!」
「ごめん。でも動けないからちょっと待って…」
春「…」
私は目を瞑って深呼吸をした。
春「…」
「…」
春「…はァ…ムカつく…!」
「えっ?」
春「…」
「わっ!」
ムカつくと呟いた三途くんが私の腕を引っ張って来た。
その勢いで立たされた私の前に、三途くんは背中を向けてしゃがんでいた。
春「乗れ」
「え…」
春「早くしねーとほんとに殺すぞ」
「で、でも…」
春「うるせぇ黙って乗れ」
「はいすみません!」
私は言われるがまま三途くんの背中に掴まった。
三途くんは私の膝の裏に手を入れておんぶしてくれた。
春「落ちんなよカス」
「うん」
春「はー任務かよ」
「…」
三途くんは私をおんぶしながら重い荷物も持ってくれた。
「…ありがとう三途くん」
春「うるせぇ」
「ふふっ」
なんだかんだ優しい一面もある事を知った。
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2021年9月23日 23時