episode387 ページ38
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安心すると急に疲労が襲って来る。
私はいつの間にか木兎くんに見守られながら
眠りについてしまった。
「…」
木「可愛い…(寝顔投稿するか!)」
木兎くんは携帯で私の動画や静止画をいくつも撮っていた。
木「よし…」
「…」
それを編集して自分のSNSに投稿した。
タイトルは俺の彼女超絶可愛い!!だ。
それを見た人達が次々にいいねやコメントを送り付けた。
秋『はーー?お前これやってんなぁ??』
小『せめて服は着せてやれよ!』
猿『撮り方が際どいんだってー』
木「ふっ…」
周りからの反応を見て木兎くんは笑を零した。
私はまた知らず知らずのうちに広まった。
秋『わざと起こしてみろよ!』
小『それも動画で!』
猿『面白そう〜』
木「おおっ!確かに!」
「…」
眠っている私の横に来た木兎くんは
携帯で撮影しながら私の手を握った。
木「井上ちゃん」
「…」
木「井上ちゃん起きて〜」
「…」
木「全然ダメだ…んー…あ!」
「…」
木「井上ちゃん!めちゃくちゃ美味そうなお菓子ある!」
「…ん…おか…し」
木「早く起きないと俺が全部食べちゃうぞー!」
「…し……め…だめ…おか…し」
木「いっただきまーす」
「…だめ…おか、し……っ!だめ!!!」
木兎くんの声に反応して私はバッと勢いよく起き上がった。そして寝ぼけた顔のまま木兎くんに話しかけた。
「おかし…」
木「おはよう!お菓子は無い!」
「…」
木「え!?」
お菓子がないと知った瞬間私はまた寝に入った。
木「ちょっと井上ちゃん!?」
「ん…なぁに…」
木「そろそろ起きてよー」
「…ねむぃ…ん…一緒に、ねよ?」
木「!」
細目のまま木兎くんの前に両手を伸ばした。
「…」
木「…」
ピコっと言う音が聞こえたと思ったら
木兎くんが隣に入って来てくれた。
木「井上ちゃん甘えん坊だなー」
「ん…そんなこと、ない…」
木「ほらぎゅーしよ!」
「うん…」
私は木兎くんの腕の中に納まった。
逞しくて暖かい体は寝心地がすごく良かった。
私はまたすぐに眠ってしまった。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2021年8月8日 23時