一話 ページ4
｢起こせやくそ共が！！｣
朝から古びた屋敷中に怒鳴り声が響く。もうこれが屋敷に住む奴らの日課となったのは言うまでもない。声の本人が大部屋から出てくると、鬼のような顔をしていた。思わず｢ひっ｣と声が漏れてしまう。それに気がついた彼女は、その顔をこっちに向けた
目が合った。まるで野獣のような、鋭い目。その名の通り、彼女は獣。あるいは鬼、またはラスボス。その全てに当てはまるだろうその方は、今まさにどすどすと音をたてて寄ってくる。
｢遅刻しそうだから車だしといて｣
｢は、はい…！｣
声に先程のような怒りは込まれてなかったが、目付きは鋭い。しかし八つ当たりをしない彼女は機嫌が悪いまま部屋に戻った。腕時計を確認すると時刻は八時を過ぎていた。嗚呼、今日もギリギリの所で学校につくだろう、学校まで車を運転する自分にとってこれは命懸けの役目でもある。失敗は許されない、もしかしたら長を護衛するよりも危険かもしれない。それ程の役目と言っていいほど荷が重い位置だとおもう
大部屋には少女が暴れた跡を片付ける約数名と、少女に殴られた約一名を手当する女将さん。俺は女将さんに近寄って頭を下げた。
｢おはようございやす、女将さん。｣
｢あら、おはようございます。今日も娘をよろしくね、銀さん｣
｢へい。勿論ですよ。｣
朝の挨拶を交わして、被害にあったそいつに同情の目指しを向けた。毎度毎度殴られてるよなお前さん。思わず苦笑いが零れると、また怒鳴り声が聞こえた。自分の名を叫ぶ少女の声だった。いっけね、と自分の身に置かれた状況に顔を青くする。嗚呼、早く行かなければ。今日が命日になるなんて御免だ。女将さんに頭を下げて笑顔で見送られる。あの方も女将さんみたいにこんな優しい笑顔だったらなあ…、考えるだけでも怖い
急いでいけば既に車に乗っている少女が窓越しから俺を睨みつけていた。すんません、と謝って運転席に座る。
｢いい？ぜぇっっってえ遅刻すんなよ、銀。お前の命張ってでも間に合わせろや｣
｢この命変えてでもお嬢の顔に泥塗るようなことしやせん！！｣
したらその暁には殺される！！アクセルを踏み、サツに見つからないように猛スピードで車を走らせる。
これが組のお嬢であるA嬢の毎日の朝。そしてそれに巻き込まれる部下の
( おはよぉ〜きょうちゃん ♡(しゃーっギリギリぃ！！) )
( おはよう、A。今日もギリギリだね )
( …朝からお熱くて(変わり身早ぇ…) )
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蓮@(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» ありがとうございます！仰る通り黒執事の要素を少し入れてみました(^ω^)更新がんばります！ (2018年8月17日 10時) (
レス) id: 75c429cbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - ぷろろーぐのって、マザー・グース・ベストを元にした、黒執事のやつをちょっと変えた感じですか？上手いですね！内容が面白いです！これからも頑張ってください！ (2018年8月17日 5時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
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