【REBORN!】さよなら。そして初めまして４【成り代わり】 (ページ1)

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81話マフィアの朝ページ1

｢ボンジョルノ、ボンゴレ10代目｣

翌朝、昨日の騒動で疲れが溜まっていたのか、普段より少し遅い時間に目を覚ました私は支度をして家を出た。が、自宅前に群がる黒い集団が視界に入り思わず体が固まった。

眼鏡の男─多分跳ね馬ディーノの部下の一人─が声を掛けてきたが、軽く会釈して彼らに道を作る。跳ね馬を迎えに来たのは一目瞭然、さっさと彼を連れて母国へ帰ってくれ。そして二度と家の風呂場に巨大化する亀を置くな。そもそも我が家に金輪際近付くな

と、内心愚痴いていると元凶が後から現れた。先程起きたばかりでまだ寝癖がついている彼が、この目の前の光景を視界に入れるとうわ、と顔を顰めた。

｢なんだお前ら、迎えなんて頼んでねーぞ｣

｢誰も迎えに来てねーよボス。散歩してブラついてたらここについただけだぜ｣

眼鏡の男の言葉に賛同する声が上がる。駅前のホテルからこの家まで結構な距離があるというのに、それを散歩していたら此処に辿り着いたとか、此奴らは何を言っているのだろう。もっとマシな理由がなかったのか。

然しこれだけの人数が全員一致した理由を述べるのだから、それ程跳ね馬ディーノという存在は部下から慕われているのがよく見て取れる。然し、然しだ。此処は平凡な住宅地、一目見て背広を着た男の集団がこれだけ群がっていると大変迷惑だ。しかもこの日本で見慣れない銃を出して磨く行為もやめて欲しい。私の前では良くてもご近所の事を考えろ、アンタらを見た瞬間パトカーが飛んでくるわ。と、この集団に山程言ってやりたい気持ちを抑え、私が口を開こうとした瞬間｢10代目〜！！｣と獄寺の声が被さる

ピシッ、と背筋を伸ばして煙草を咥えた獄寺が笑顔で立っていた。

｢おはよーございます10代目！！早起きたしのでブラブラしてたらここについちゃいました｣

アンタもか獄寺

｢それより何なんスか、この連中は｣

｢よぉ、悪童スモーキン･ボム。会うのは始めてだな｣

｢！…そのタテゥー、跳ね馬ディーノ…！！｣

私が説明する間なく、金髪を跳ね馬ディーノだと理解した獄寺の表情が次第に暗くなる。嗚呼、この反応は相手に喧嘩を吹っかける時のものだ。誰構わずガン飛ばしする彼には困ったものである。さり気なく獄寺の制服の袖を引っ張って落ち着かせようとした時、今度は明るい脳天気な声と共に肩に重力が襲う

｢はよっす先輩に獄寺。早く学校行かねーと遅刻すんぜ｣

そうだ、遅刻する。私は二人の腕を引いて駆け出した