5話 関わらないと決めたのに ページ6
私が投げやりに｢どこでもいい｣と言った言葉を訂正したくなった。何故なら、二人が決めた場所は主人公の仲間の一人である彼の家が営業している店、
竹寿司。名前は忘れたが、完全に原作に登場する、それも結構重要な人物だったと思う。
そんな奴と関わるなんて、まっぴらゴメンだ
彼は私の仲間になっていいはずが無い。私は決めたのだ、彼には慣れないのだから原作を潰して徹底的に彼らに関わらないと。
そう決めたはずなのに、自分の過ちで関わろうとしているなど、許せぬ
｢すいませーん｣
｢へいらっしゃい！何名様で？｣
｢３名です。大人二人と子供が一人｣
｢お〜、もしかして並盛幼稚園の子かい？｣
店の中に入ると、やはり迎えたのは彼の父であるこの店を営業している親方。勿論、彼もこの並盛に昔からいるので、並盛の幼稚園の制服など分かっている筈で
今は私の姿は並盛幼稚園の制服姿。当たり前だが、こう聞かれるのも予想はしていた
｢今日卒園したんです。今年から小学生になるんですよ｣
｢そうかいそうかい！そりゃぁおめでとさんだねェ、うちにも今並盛幼稚園に通ってる息子がいるんですよ｣
｢そうなんですか？｣
｢へえ。この子の一つ下なんですけどね、いやぁ｢武｣も来年はこんな立派になってるのかァ｣
彼は私を見ながらきっと、彼を写しているのだろう。優しく微笑む親方は、自分の息子の成長を楽しみ、そして嬉しく思っているはずだ
それが何だか、私の心を締め付ける。私も、私じゃなくて彼がここに居たら。ここにいるのが私ではなく、彼だったらここで喜んでいただろうに
...まて。
｢おじさん｣
｢ん？なんだい嬢ちゃん｣
｢武ってこ、私の年下なの？｣
｢A？｣
｢そうだよ嬢ちゃん。武は今年で４歳になったばかり何だ。嬢ちゃんは５歳だろ？｣
｢...うん｣
やはり。
時間が狂っている。私が彼になった事で、本来なるべき筈だった歳が変わっている。原作には、ここで彼の父親に会う場面も無かったはずだ
変わっている
それが私にとってはどれだけ嬉しいことか。もしかしたら、関わらなくてもいいかもしれない。
私じゃなくて、違う誰かが事を進めてくれるかもしれない
そんなこと、無理なことぐらい分かっていても彼ではない私は、救いの手を逃すわけにはいかないのだ
だって私は、物語を進める気力さえないんだから
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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