32話 まさかの引き分け ページ33
悔しそうに唇を噛む少年だが、自力で立ち上がって私と真正面から向き合う
私が殴った頬の部分が膨らんでいて、まるで赤い林檎のようだ
｢君の言うとおり、もう僕は君に一切関わらない。…それでいいんだよね？｣
｢勿論｣
分かったよ。そう言って地面に落ちているトンファーを拾おうとしたその時、｢でも、｣と少年が私に言った
｢それは、君が勝った時の話でしょ？｣
｢…やられた｣
背後を取られ、トンファーは私の首に突き当てられていた。
油断大敵と言うのはこの事だろう。一瞬の油断が隙を招き彼に背後を取られた。抜け出そうとも、私が動くよりも首に当たっているトンファーの方が断然速い。勿論、私に逃げ場はない
｢言ったでしょ。相手が倒れるか、降参って言うまで戦いは続くんだって｣
｢…罠にハマっていたのは私の方だったわけか｣
｢その通り｣
確かにあの時、彼が倒れた時に最後のトドメをしておけば私の勝利は確実だった訳だ
それをしなかったせいで、簡単に勝利が反対になったわけだ
…でも。
やっぱりこいつは、
｢単純だ｣
両手でトンファーを掴み足を振り上げて彼の首に絡ませて体制を上げる。そのまま後ろに落ちると、地面に落ちているもう一つのトンファーを素早く彼に向けた
私の首には彼のトンファーが。彼の首には、私のトンファーが突き付けられていた
これは、
｢引き分けか｣
｢…やっぱり君って、一筋縄ではいかないね｣
｢アンタこそ、よく頭が回るんだ｣
引き分けと分かった以上、トンファーを向ける意味は無い。私がトンファーを下ろすと、彼もまた続いてそれを下ろした
さて、引き分けとなったはいいが条件についてどちらも正とは言えない。
どうしたものか。
｢引き分けって事は今日の勝負は今度におわずけだね｣
｢…条件はどうするの｣
｢それが問題だ。別に今度にしてもいいけど、僕の条件はすぐ知れそうだからさ…変えてもいいかい？｣
｢ものによれば｣
彼の言ってることも一理ある。確かに名前なんてすぐ知れそうだ。元々私が勝つ気でいたから別に名前でもいいと思ったがこんな結果になってしまったので、どうせ名前位知られるだろう
こっちとしては勘弁して欲しいけれど。
｢それじゃあ、次僕が勝った場合は僕の願いをなんでも聞いて。…どう？｣
｢…いいよ｣
とは言ったがかなりのリスクを伴う。絶対に勝たないと何をされるか溜まったもんじゃない
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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