14話 知らないもの ページ15
家光side
泣き叫ぶAを落ち着かせ、腕の中で眠っているこの子をベッドに寝かしつけた
とてもAが眠る顔は青白い。表情も悪く、先程から何度も魘されている。奈々が泣きながらAの手を握っている姿はとても心が傷んだ
｢奈々...、そろそろお前も寝ろ。俺が一晩Aの傍にいるから｣
｢嫌です。私が...この子の側にいます。Aちゃんが起きた時、誰よりも最初にこの子に｢おはよう｣って言うんです。｣
｢だが、｣
｢お願いします。私がやらないとダメなんです。私じゃないと、この子はきっとこのまま苦しんでしまう。私はAちゃんを助けたいから｣
力なく笑う奈々を思わず抱きしめた。目は涙のせいで腫れて真っ赤になっている。自分が悪いと責め続けているんだ
違う。それは違うんだ奈々
お前が悪いんじゃない。奈々もAも誰も悪くない
確かにさっきのAは俺からも見て一大事だった。何が起きたのも分からなかった
ただ分かるのは現在進行形で泣き叫んでいるAの姿が視界に入ったと言うこと。テレビに映された火災の映像で怯えていたこと
あそこまで、泣き叫ぶまでAが怯えたものは無かった。怖がったものも無かった
なにも興味を示さなかったAが、さっき俺達の目の前で、炎を見て泣いた
俺と奈々はAに料理をさせた事は無い。炎が危ないからと言ってキッチンには近づけた覚えはない。
本人も一度もキッチンには行っていなかった筈だ
なら、何故あの時あれほど泣いた？
何故あそこまで怖がることがあった？
みんな燃えて...と言うことはどういう事なんだ。ごめん、とは誰に謝ったんだ
時々Aがわからない時がある。今のように、俺達には分からなくてAしか知らない事が沢山あった
何を考え、何を見ているのか。
｢お願い、家光さん。Aちゃんの側にいさせて｣
｢...分かった。だが、無理はするなよ？辛くなったら俺に言うんだぞ｣
｢はい！｣
明日、俺の上司がここに来る。
Aは大丈夫だろうか。あの人はAの事は事前に話はしているが、あの子が彼に心を開くとは分からない
今の状況も踏まえ、難しいが出来れば一歩心を開く鍵になってほしい
眠るAの頭を撫で、少しでも良い夢を見られるように奈々の手の上からギュッと握った
悪夢から、目覚めれますように。と
(見えたものは)
(彼女の過去であり)
(世界が定めた運命だった)
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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