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2話 ページ2
Aside
気がつけば私はふかふかのベッドに寝かされていた
体を起こして辺りを見渡すとホテルの一室のようだった
「起きたなら来い」
声のした方を見ると黒髪の大柄な男性がソファに座っているのが見える
恐る恐る近づき彼に前に立つと彼はギロリと私を睨みつけてきた
「沢田Aだな」
「は…はい」
「フン」
それから彼は一切喋らずに酒を煽り続けるだけだった
どうしていいか分からずにその場に立ち続けていると彼が低い声で「来い」と言った
ゆっくり近づくと彼は私の手をぐいっと引き、バランスを崩した私はそのまま彼の上に倒れかかってしまった
「あなたは……？」
「知らねぇのか」
「はい」
彼の目が細められた
「まぁいい、好都合だ」
そういうと彼は私の背中に腕を回した
あまりの出来事に固まる私を彼は強く抱きしめた
知らない人にいきなり抱きしめられるなんて嫌なはずなのに何故か私は彼の腕の中で安心してボロボロと涙をこぼしてしまった
縋るように腕を回せば耳元で満足気な笑い声が聞こえた
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作者名：ふるまき | 作成日時：2021年8月27日 17時
