な ページ24
『あ、こんばんは、お久しぶりです。』
あのお方とやらが来た。
俺はまだこの人とは殆ど関わっていないため、よくわからないのだが、とても強くて怖いらしい──これは猗窩座さんからのお言葉──。
彼は"呪い"というモノで、鬼を縛り、統率しているので、逆らえないのだそうだ──まあ、猗窩座さんに反抗心があるようにも見えなかったが──。
呪いの効果は大きく分けて四つ。
彼への忠誠を誓うこと、
彼の情報を外に漏らしたら殺されること、
彼には心が全てバレてしまうこと、
そして鬼同士は同族嫌悪を起こすこと、
である。
これだけでも大分行動が制限されそうだ。
特に四つ目の項目、同族嫌悪など起こしたら俺はもう他の鬼とは仲良く(?)会話できなくなってしまう、それは嫌だ、俺は話さないと死ぬ鬼だから。
つまり、何が言いたいのかというと、
彼がここにいる今、どうにかして彼に"呪い"をかけられないようにしたいのである。
鬼「…そういえば、こんな奴がいたな。」
『あはは、俺のことお忘れだったんですね、悲しいなあ。』
ちなみに、彼は──どういう原理かは謎だが──逆さのまま何かの実験をしていた。
俺は理系ではないので何をしているかは具体的にはわからないが。
鬼「貴様、ちゃんと上弦共に肉を与えているのだろうな。」
『そりゃあ勿論、ただ飯食らいは御免ですから。』
この人の地雷が何処にあるのか本気でわからないので、様子見することにする。
話さないことには相手を分析できないので、多少話してみようと思う。
『あの…、俺が生前何やってたか、知ってたりします…?
俺、鬼になってからの記憶しかなくて。』
鬼「そんなの、私が知るか。童磨に聞け、お前の誘拐は彼奴に任せた。」
『は、はぁ…。』
え、何これ、俺と会話する気ゼロじゃん──この時の一瞬だけ、俺は彼が鬼の頂点を務めていることを忘れていた──、何か彼が食いつきそうな話題……。
『そういえば、俺、貴方の名前知らn
鬼「黙れ、実験の邪魔だ。」
…ないんですけど…。』
遮られてしまったが最後まで言葉を続けたところ、彼は凄い形相でこちらを見た。
『ッ!!』
鬼「貴様…、私の命令に背くとは、いい度胸じゃないか。」
…全ての鬼は彼の命令には背けないのだった。
なんたる失態、バレたかも知れない、俺が呪いを受けていないことが。
鬼「………?
…なるほど、呪いを掛け忘れたようだ。
先日は気を失っていたから、掛け損ねた。」
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串(プロフ) - 罷免さん» はじめまして、コメントありがとうございます。どツボにハマって頂けましたか…!正直癖の強い作品だと思っていたので、罷免さんを含め多くの方に評価して頂いている事実に毎度驚愕しております…。これからもちゃんと更新するので、作品共々よろしくお願いします! (2020年2月29日 2時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
罷免 - どツボです…更新ありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - はじめまして、コメントありがとうございます。楽しんでもらえるよう、予測できない展開にしようとこんがらがり気味ですが、面白いと言って頂けて嬉しいです!無計画なので変な点もあると思いますが、是非最後までお付き合いください。これからもよろしくお願いします! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
アクトレモン(プロフ) - とてもこの作品が大好きです!!今まで見たことがない展開などとても面白いです!更新頑張ってください (2020年2月27日 11時) (レス) id: 4bdd481c8a (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - ウルさん» はじめまして、コメントありがとうございます!会話文だけの夢小説が苦手だったので、情景や心情描写を出来るだけ挟むようにしていたのですが…、まさか読者様の妄想の糧になっていたとは思いませんでした笑 応援とても嬉しいです、これからもよろしくお願いします! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:串 | 作成日時:2020年2月15日 20時