ケージ:105 ページ9
そう言って、蛇が這うような緩慢な動きでシャオロンさんが私の腕を掴む。
何て言葉なんだろう。こんな感情を私は知らない。あまりにも甘やかなそれは、ゆっくりと私の思考を縛る。
激情に駆られたような先程の動作とは打って変わって、今度は絡み付くような、粘度をもった質感で。スローモーションみたいだ。世界のなかで、ここだけ時間の進みが歪められてしまったみたい。
「……牢獄みたいやね。」
言い得て妙だ。牢獄。私がシャオロンさんを閉じ込めている、ということになるのだろうか。けれど、どうしてだろう。私まで囚われているような心地になるのだ。
ゆらり、ゆらりと。
蜂蜜のようにとろりと、甘い黄色が揺れる。
目が、離せない。
「おれ、ずっとこのままでもええよ。」
「……。」
息をのむ。
数秒の見つめ合い。
試すような、ねだるような、シャオロンさんの視線はなんとも形容がしがたい。逃げ出したいような、このままずっとこうしていたいような、彼に全てを委ねてしまいたくなるような。よくわからない感情が頭の中でぐるぐるとかき混ざって、苦しい。
「……ず、と？」
シャオロンさんはなにも言わない。
どうすればいいかわからなくて、狼狽えた。だって彼の欲しいものが私はわからない。そんなんじゃきっと、彼の期待にそったものを私は差し出せないから。
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
