ケージ:115 ページ19
「は、
……？！」
思わず立ち上がる。キャスター付きの椅子が勢いよく後ろに動いた。
咄嗟に右の太ももを押さえつけた。
どうして。
どうしてそれを。
どくどくどく、と心臓がうるさいくらいに脈打つ。私の動揺などどこ吹く風、という風にしんぺい神さんはけたけたと笑った。まあ座りや、なんて、椅子を直し出す始末だ。
「どうして、」
誰も知らないはずだ。グルッペンさんが言っていなければ。けれど、どうしたのかと聞くということは入手の経緯は知らないはず。
どこで？一体どこで、いつしんぺい神さんは……
「だって、Aちゃん、礼儀正しい子やから。」
「え……？」
予想だにしない返答に一瞬言葉がつまる。
どういうことなのだろう。
「いつも真っ正面で膝突き合わして話してくれるのに、今日は少し、ほんの少しだけずらしとったね。右寄りに。なんか隠しとんのかなあて。」
「……そ、んな」
ゆったりと説明してくれるしんぺい神さん。
……そんなことだけで？それに、私はそんなつもりはなかった。……完全に、無意識だったのだろう。
しんぺい神さんの視線が私の膝に落ちる。
「勘やね。その様子やと、銃てとこまでアタリみたいやけど。」
「そ、それは。」
隠そうとして、無駄だと思った。あの些細な、無意識の動作でここまで見透かされてしまっているのだ。
これ以上何を言ってもきっと弁明なんてできっこない。……嘘が下手なことくらい、自覚している。
「……。」
「わかるよ。いちばん長くキミのこと見てたん、多分俺やもん。」
沈黙は肯定である。完全に私は看破されてしまったのだ。
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
