ケージ:77 ページ30
暗い廊下を１人で歩く。
昼間でも薄暗いそこは、夜になればもっと暗くなる。
点々と点った蛍光灯だけが、途切れ途切れに床を照らしていた。
かつん、かつんと私の靴音だけが辺りに響く。
もう、みんな寝静まった頃だろうか。
「……。」
冷たい空気に、心地よい眠気が少し覚まされる。
漠然とした不安があった。
私は本当にここにいてもいいのか。
いるべきなのか。
__誰かといることに、求められることに依存してそれに溺れてしまえば、自分を見失ってしまう気がした。
「……。」
行かないで、と言われれば揺らいでしまう。
求められれば揺らいでしまう。
『先の戦争の戦利品だ。』
__既に私の身は彼らの手中にあるのに、失う事を恐れるあの瞳が、私の胸を締め付ける。
その気になれば私くらいどうとでもできるはずなのに、そうしない優しさにじくじくと蝕まれていく。
行く宛なんてない。
でもここを出ないといけない気がする。
否、否、そんなことはできない。
___うらぎるの？
「っ！」
冷たい声が脳裏に響く。
氷塊を突っ込まれたかのような感覚が、一気に背筋を冷やした。
違う。そうじゃない。そんなつもりじゃない。そんなことは、わたしは。
わたし、は。
「……なにしとんの？」
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えある。 - zmさんかわです。天才がここにいるっ!主さん神ですね！応援してます〜 (2023年4月6日 10時) (
レス) @page16 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - ゾムさんが可愛すぎるっぴ…キャラ崩壊してるっぴ。いつものかっけえゾムさんどこ言ったんだ……最高 (2020年4月13日 15時) (レス) id: ca685f05f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - (´ω`)ｳﾄﾞﾝﾀﾍﾞﾀｲさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、もったいないくらいです。とっても嬉しいです。自己満で書き始めたものですが、少しでも多くの人に楽しんでもらえれば幸いです。 (2020年2月26日 20時) (レス) id: bceee2f54e (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - neccoさん» コメントありがとうございます。アワ……めちゃめちゃ恐縮ですが嬉しいです。応援もありがとうございます、こつこつがんばっていきます。 (2020年2月26日 20時) (レス) id: bceee2f54e (このIDを非表示/違反報告)
(´ω`)ｳﾄﾞﾝﾀﾍﾞﾀｲ - ちくわさんの書く小説ほんと好きです！語彙力があるところ、表現の仕方がとても素敵です。リピーター続出ですね(*´-`) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 43fae56533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2019年9月29日 11時
