志摩ちゃんうふふ。 (ページ36)

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飲みすぎ注意_ﾘｸページ36

食後、1人でテレビを見ているとインターホンが鳴った。彼は前々から決まっていたという4機捜の飲み会に行っているはずだ。

『…はい』

【あー！ごめんねー！志摩の相棒の伊吹っていいます！】

エントランスに響く声の主の肩でぐったりとしている志摩。寝ているのか脳天しか見えない。

『あの、とりあえず開けますね』

・

「いやぁ、ごめんね？なんか志摩今日めっちゃペース早くてさぁ。途中で寝ちゃったんだよね」

『そうなんですか…』

珍しい。ふたりで飲んでも潰れるのは決まって私なのに。

「ていうかめっちゃきゅるきゅるじゃん！！」

『きゅる…？え？』

「A、相手するな、」

『はぁ…伊吹さん、わざわざありがとうございました』

「いえいえ～、じゃ、志摩ちゃんのことよろしくね。Aちゃん」

「おい」

志摩とは相当仲が良いのだろうか。ケラケラと笑って帰って行った。風のようだ人だったとAは思った。

『かずくん、中入ろ』

「んー」

水を渡すとちびちびと飲み始める。いつもの雰囲気とは違い、どこかふわふわしている。目線もどこに向いているのか分からない。

『気持ち悪いとか無い？』

｢うん…｣

うんって…何？酔ったら可愛くなるとか知らないんだけど？私の知ってる志摩一未はどこへ。

「A｣

『ん？』

「キスしてよ｣

『……』

なになになにこの人今なんて言った？

『酔ってるんだよね。早くお風呂入って寝よ』

そうだ。相手は酔っ払いだぞ。

「A｣

『なに！』

「キス」

『～～なんで！』

「だっていっつも俺からじゃん｣

いじけたように水の入ったコップを手の中で回し始める。確かにキスは私からしたことが無い。

『恥ずかしいし…第一下手なの知ってるでしょ？』

｢大丈夫だから。ほら｣

ソファに座るように促され、渋々隣へ。
にまにまと楽しそうな彼。もうどうにでもなれと目をギュッと瞑り顔を近づけていく。

『あっ…』

ミスった。目を開けると更にニヤニヤとした彼が。
真っ直ぐに顔を近づけていったので鼻と鼻がぶつかってしまった。恥ずかしさで死にそうになり、俯いていると頬を包む大きな手が。顔を上げると唇に触れる感覚と超至近距離の彼。

「ふっ笑真っ赤笑｣

そう言ってお風呂に入った彼。
しばらく動けなかったのは言うまでもない。