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降谷姓の判子が大人気らしい ページ10

結婚してから自分の苗字が“降谷”になってから、使用する判子も降谷を使っている。



全国的にも“降谷”という苗字は珍しく、判子もなかなか見つからないくらいだ。




ある日、事件は起きた。

夫の判子の文字の部分が潰れてきたのだ。

彼いわく、“長年使い込んでいたから字が潰れてきたのだろう”と。


問題はその後、それならばネットで注文しようではないかとホームページを開いた。



『なっ…、在庫切れ!?』

どの通販サイトも在庫切れと書かれていた。
実は“降谷”という姓は日本に約30人程しかいないらしいのだ。

つまり、これは非常に異常な事態なのだと思わざるを得ないのだ。




「Aっ!これ見てくれ!!」

パソコンでこの事態の原因究明を一緒にしていた夫はあるネット記事を私に見せてきた。



“最近公開された映画の影響で降谷零人気が高まり、降谷姓の判子がかなり売れている”


「な、なんだって…!?
俺と同性同名の人が…日本の経済を回しているだと…!?」


『…ん?同性同名??』

いや、同一人物ではないんですか、という言葉が口から漏れそうになるのを必死に押さえる。


原因究明を果たした彼はすっきりした表情になり、顔を綻ばせた。

ルナティックナイト―1→←キスの日―2



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作者名:paranoia | 作成日時:2018年5月13日 21時

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