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＊ここからの試合結果は捏造であり事実ではありません。こうなって欲しいという妄想で書きますが必ずしもこうならないという事をご承知ください。
＊
『負けちゃったよ』
結果的に日本は勝ったけれど。奇跡が起こりドイツに勝ったその後。なんとも言えない気持ちに襲われながらボーッとしているとスマホに通知があった。
『お疲れ様、惜しかったね』
とりあえず、無難に、傷付けないような言葉を置いて。今精市くんはどんな気持ちなんだろうか。日本が決勝に進んだ事を純粋に喜べているのだろうか。
『手塚は……いや、世界は本当に強かった。俺もまだまだ未熟だったなって感じだよ』
束になってもかなわないなんて。あの頃とはもう、きっと別人で。絶望だろうか、それとも。
『精市くん……』
それは、どんな気持ちなんだろう。私には精市くんにはなれない。私には完全に気持ちを理解することが出来ない。ましてや、顔が見えないこの状況で。
『悔しい、けど、』
それでも。
そのけど、という言葉でその先に続くものは、なんとなく暗いものではないことはわかった。
『手塚が教えてくれたんだ。未来は塗り替えられるものだって』
……ああ。
また涙がこぼれる。
再発するかもしれない恐怖。苦しみ。今まで貴方は、どんな未来を想像して生きてきたのだろう。
手塚さんが、彼の見ていたその未来を塗り替えて。
『俺が今まで見てきた未来も、きっと塗り替えられるって、そう思えた』
それは、希望。
彼の想像していた未来は、彼自身の手で上から塗り替えられる事だろう。きっと、いつか。
『ほんと、有意義な試合だった。また、頑張るよ』
彼にとって、本当に重要な試合になったことは間違いなかった。対戦相手が手塚さんじゃなければきっと、また違う未来があったのだろう。きっと運命で。神様、本当にありがとうございます。
『私も、負けないよ』
また、また、強くなる。私だって、強くなるんだから。
だから＿＿＿＿＿
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