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そして、精市くんたちの合宿が始まった日の夜。今頃どうしてるかな、と考えていたら、精市くんから一枚の写真が送られてきた。
『ルームメイト』
それは、精市くんとルームメイトさんの自撮りだった。見覚えがある。茶色い髪の人が、全国で仁王くんと戦った青学の不二さん。それから、その隣の人がその戦いで仁王くんが最後にイリュージョンした人。
『楽しそうだね？』
前言ってたみたいに連絡する暇もない、ってことはなさそうだ。
それにしても、みなさん精市くんに負けず劣らず美形だなぁ。そんなことをぼんやり考えていると、今度は電話がかかってきた。しかもビデオ通話。慌てて出る。髪とか軽く手で整えながら。
「せ、精市くん？」
『やあ、A。いきなりごめんね、』
すると、画面に入ってくる二人の男の人。写真と同じ人たちだ。
『おっ、噂の幸村クンの彼女さんか？』
『へえ、可愛い子だね』
「えっ、あの、え、」
何て言えばいいのか。とりあえず、精市くんの彼女、として恥ずかしい真似は出来ない。
「えっと、精市くんの彼女のAAです……よ、よろしくお願いします……？」
『はは、そんな緊張せんでも。俺は四天宝寺の白石蔵ノ介や。よろしゅう』
『僕は青学の不二周助。よろしくね、Aさん』
一通り、自己紹介を終えたところで、精市くんが『いきなりごめんね、2人が俺の彼女見てみたいって言うから』ともう一度謝った。
『まあ俺も、Aに電話したかったんだけどね』
「精市くん……！」
2人もいるのに、恥ずかしいこと言わないでよ、と思いながら。『ほんまに仲良しなんやな』ってにこにこと言われて、余計恥ずかしい。
『そうそう、それで、合宿の事なんだけど……』
＿＿それから、仲間内でシングルスの試合をして、負けた方は強制的に合宿を退去させられてしまった事を聞いた。精市くんは弦一郎くんとやって勝ち、結果弦一郎くんが、その他柳くんや仁王くん、ジャッカルくんなどが合宿からいなくなってしまったらしい。どうやら、初日から大変だったようだ。
『何が起こるか全く想像がつかない。……でも、俺は必ず約束守るから』
また、待っててね、と強く言われた。
「頑張って」
ただ、一言。信用しているから、そう返すだけにした。精市くんは、きっと。
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