幼馴染の先輩は私の推し〖桃〗 (ページ2)

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『み、水野Aです、』

「お〜Aちゃんか！可愛い名前じゃん！」

『か、可愛い…？！？』

「へ？うん、可愛いと思うよ？」

さっくんの一つ一つの言動に大袈裟なくらいに反応している私を見て、ひたすらに笑っている蓮と、どうして疑うの？って思ってるのが伝わるくらいの曇りのない目をしたさっくん。

やばいやばいやばい。

推しに、自担に、名前が可愛いとか言われて動揺しない子なんているの…？

あぁどうしよう。
どんどん体温が上昇していくのがわかる。あっつい。

「にゃは！Aちゃんお顔真っ赤っか〜！面白いねえ」

『…へ？！そ、そうですか？！』

「んふふ、うん、めちゃくちゃ面白いし、可愛いよ？」

あぁ…今なら死ねる。安らかな気持ちで死ねる…。

さっくんにとっては特に意味の無い一言なんだろうけど、どの言葉を言われても嬉しくて仕方がない。
冷静に考えて、自担に名前を呼ばれてるとか、いやいやそれ以前に同じ空間にいて、同じ空気を吸えてるとか、…え？私やっぱり今日が命日…？

「…よかった、もう彼氏のこと忘れてそう」

「？彼氏？」

「あぁ、今こいつ彼氏に振られたばっかなんですよ」

「え？！まじで？！大丈夫なの？」

昇天しそうな私からすれば、彼氏に振られた現実はすっかり抜け落ちていたし、急に現実に戻されたようで蓮を軽く睨む。

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