Rain

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お手洗いへ行ったはいいものの、
何かを吐き出せるわけでもなく、
結局何もせずトイレから出た。


男女共用の1つしかないトイレに並んでいたのは


1番会いたくない人だった


今までで1番愛した人、
だからこそ今までで1番嫌いになった人


直輝「A、」


A「久しぶり、じゃあね」


もう会いたくなかったから連絡先も全部消したのに


話したくなかったから直輝の横を通り過ぎて部屋に戻ろうとした


直輝「ちょっと待ってよ」


A「触んないで」


直輝「電話もLINEも無視だし、なんで？」


A「なんでって、
私達別れたんだよ」


直輝「俺はそんなつもりない」


A「もう関わらないで」


直輝「俺が悪かった、Aしか居ないんだ」


A「あの女の人がいるじゃん」


直輝「あれは、Aが忙しかったから、」


A「私のせい？」


直輝「そうじゃなくて、」


体調もどんどん悪くなるし


心も体も限界で今にも涙がこぼれそうだった


「黙って聞いてればよくそんな事つらつらと話せるな」


なっちゃんが目の前現れて


私の腕を掴んでいる直輝の手を解いて、私を庇ってくれた


A「…なっちゃん」


夏喜「もう行ったら？惨めだよこんなの」


直輝「俺にはAしかいない、！」


夏喜「あんたはそうでもAはもう違うんだよ
そもそもあんたがこいつのこと放っといて遊ぶから悪いんだろ
それで離れてったらAしかいない？笑わせんな」


私がもう話せる状況じゃないの分かってるから全部言ってくれる


直輝はもう何も言い返せなくなって俯いた


夏喜「もう戻ろう」


A「うん、」


なっちゃんに手を引かれて個室に向かった


A「ありがと、」


夏喜「あいつってあの日の、」


A「うん、なっちゃんには、助けられてばっかだなぁ…」


夏喜「もう友達でしょ？ちゃんと頼って？」


A「うん、ありがと」




…


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