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あっという間に昼休み。
今日はお昼になるまでほんと早かった。
今日の授業、ほとんど座学なのに。
今から玉森先生のところに行くのか。
憂鬱だなあ、。
場所が分かりませんでしたって嘘ついちゃう？
いや、ダメだ。そんな嘘、3年目なのに通用しないわ。
｢はあ、｣
何度目の溜息だろう。
重い足をなんとか動かし、社会科準備室まで向かった。
準備室の前まで来たのはいいけど、ドアを叩くのを躊躇う。
ほんと、わたし何やってんだろ。
控えめにドアを叩くと、
｢はい｣
中から聞こえてきたのは覇気のない声。
うわ、居るじゃん。
もうこのまま逃げ出しちゃおうかな。
なかなかドアを開けれずにいると、
ガラガラガラッとドアが開いた。
｢なにやってんの。早く入れよ｣
ちょっとムッとしている先生の顔。
え、なんで怒ってんの？
部屋に入るとすぐに香る煙草の匂い。
｢煙草くさ。いいの？屋内で吸って｣
｢だってここ俺以外誰も来ないし｣
確かにうちの学校は結構広くて学年ごとに教科準備室がある。
3学年の社会科の先生は玉森先生はしか居ないからこの部屋は玉森先生しか出入りすることは無い。
｢先生の取り巻きが来るんじゃない？｣
｢取り巻きって(笑)大丈夫。俺が別の場所に移動するから｣
｢別の場所？｣
｢ここの奥にもう一個部屋があるの知ってた？｣
去年はこの部屋に何度も出入りしてきたけど、
もう一個部屋があるなんて初めて知った。
｢俺も昨日整理してたら見つけてさあ。
教頭に聞いたら使っていいってあっさりOK貰っちゃった〜。
あのダンボールで隠せばバレなくない？｣
まあ、確かに。
ていうか本当に徹底してるな。
｢せっかくの自分の時間なのにそれまで奪われるとか無理。さっきのでさえもう嫌なのに｣
｢先生、教師向いてないんじゃない？｣
｢かもな。なりたくてなった訳じゃないし｣
｢へぇ、。あ、で、何の用ですか？｣
｢あ、そうだ。お前さ、今朝のはなんなんだよ｣
｢今朝？｣
｢学校来る前だよ。電車降りてうちの生徒と会っただろ｣
｢ああ、｣
あんまり思い出したくないんだけど。
｢なんであそこで俺一人にするんだよ。
マッジ大変だったんだかんな｣
｢お疲れ様です｣
｢お疲れ様ですじゃねえから！｣
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作者名：にこまる | 作成日時：2018年7月16日 1時
