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｢お前ってなんでそんなに冷めてんの？｣
そう聞いてくるくせ興味はなさそう。
昨日もだけど興味がないなら聞かないで欲しい。
わたしはわたしが普通だけど、周りから見たらわたしは多分普通じゃないから。
｢お前じゃないし･･･｣
なんとかして話を逸らしたくて、悪態をつく。
｢ほんと生意気｣
横目でニヤッと笑った。
意地悪そうな顔。なんでそんなに楽しそうなのよ。
｢なるみは、なんでそんなに冷めてんの？｣
｢･･･知らない｣
｢･･･あ、そ｣
ナイスなタイミングで来た電車。
先生とは違う車両に乗ろうと思って移動したのに
何故か同じ車両に乗る先生。
｢なんで｣
｢なんでってなにが？｣
｢他の車両めちゃめちゃ空いてんじゃん。
わざわざここ来る必要なくない？｣
｢来ちゃいけないの？｣
何この人。仕事とプライベートは分けるんじゃないの？
今は仕事？プライベート？
｢今は仕事？プライベート？｣
｢さぁ〜、どっちだろうね｣
先生は向かいの席に座り、鞄から書類やらを出して
目を通し始めた。
こうやって見ると綺麗な顔をしている。
色は白いし、鼻も高い。
自然と伏せているように見える目から伸びるまつげはここにいても分かる長さ。
黙っていればカッコいいんだろうけど、わたしは本性を知ってしまったから。
なにも知らないクラスの女子は最高な1年なのかもしれないけどわたしからしてみれば地獄。
やっぱりわたし、この人苦手。
｢なに？｣
やばい。ずっとガン見してたのが先生にバレてしまった。
｢俺に見とれちゃった？｣
｢なわけないでしょ。何やってるのかな、って｣
｢んはは(笑)確かにお前はそういうの無さそう(笑)
いやぁ、俺も一応新任な訳だからクラスの子の
成績とかなんか色々見なきゃなんないの。
やること多くてさ、意外と｣
｢だからこんなに早いの？｣
｢それもあるね｣
｢他にもなにか理由があるの？｣
｢へえ〜お前でもこんなんに興味とかあんの？｣
1日も一緒にいないのにわたしの何がわかるの。
｢案外子供だね｣って馬鹿にされたのが悔しくて、
｢会話を広げようとしただけ。興味はない｣
と嘘をついた。
悔しかったのもあるけど、なんとなく聞いて欲しくなさそうだったから。
あえて聞かないであげた。
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作者名：にこまる | 作成日時：2018年7月16日 1時
