49 ページ49
·
首を少し傾かせながらそう聞く女子ヶ谷さんのお誘いを断れるはずなんてなく、ちゃっかり来てしまった。
店内は時間も時間だから、家族連れが多いのかと思ったけど案外少なく、
学生や、仕事帰りであろうおじさん達が多い。
このファミレスは高校生の溜まり場的な場所になっているからヒヤヒヤしたけど高校生なんて一組もいなくて安心した。
いらっしゃいませ。と店の奥から出てきた店員さんに、2名で。ってスマートに伝える藤ヶ谷さん。
喫煙禁煙はどっちか聞かれる前に、禁煙でお願いします。と告げた藤ヶ谷さんのあとをついて行き案内された席に着く。
「はい、メニュー。好きなの頼んで」
スーツの背広を脱ぎながら、ネクタイを緩める。
その姿でさえ様になる。
そんな藤ヶ谷さんに少し見惚れてたら、背広の胸ポケットからなにかが落ちた。
ん?タバコ?
「藤ヶ谷さんタバコ吸うんですか?」
「えっ、あーうん、まあね」
「喫煙じゃなくていいんですか?」
「(人1)ちゃんの前だし、吸わないよ。ほら、受動喫煙も良くないって言うでしょ」
・・・流石過ぎて何も言えないんだけど。
「何にするか決まった?」
「えっと、じゃあハンバーグの洋食セットで」
藤ヶ谷さんは焼き魚定食を頼んだ。
藤ヶ谷さんって定食とか食べるんだ。でもまあ確かに和食似合うかも。
ていうかお酒飲まないのかな?
サラリーマンってお仕事終わりにお酒飲むんじゃないの?
「あの、お酒飲まなくていいんですか?」
「家では飲むけどね。ここでは飲まないよ。
流石に高校生の前で飲めない(笑)」
さっきのタバコの件もそうだけど藤ヶ谷さんってほんとに大人だなあ。
高校生のわたしにまで気を遣ってくれるなんて。
玉森先生だったら普通にタバコ吸って普通にお酒も頼みそうだな。
いくら藤ヶ谷さんが先輩だとしてもそんなに歳変わらないでしょ?
こんなに違うもんなの?
「あ、今玉のこと考えてるでしょ?」
「えっ、」
「玉だったらこうだな〜とかそんな感じ?(笑)」
「・・・・・・エスパー?」
「ははっ図星かよ(笑)」
人があんまりいなく、お店が混んでいないせいか頼んでたものはすぐに来た。
いつぶりのちゃんとした食事だろう。
「・・・美味しそう」
思わず口に出していた。
·
268人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にこまる | 作成日時:2018年7月16日 1時