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電車を降りようとしたわたしの腕を、
何言ってんの?って顔で掴んだ。
早く出ないとドア閉まっちゃうのに。
「歩いて帰ったらどんくらいかかるか分かってんの?」
そんな時でも携帯は鳴り止まない。
先生が携帯に気を取られた一瞬の隙を狙って
掴まれてた腕を振りほどき、電車から飛び出した。
先生はすぐに追いかけて来たけど、先生が降りる直前にドアが閉まった。
なんか言ってるけど・・・何も聞こえない。
だけど鬼みたいな顔してる。相当怒ってんな。
そんなに怒る?彼女と連絡取れるようにしてあげたんだよ?
寧ろ感謝して欲しいくらいなんだけど。
わたしがいたら電話に出れないみたいなこと言うから、だから降りてあげたのに。
・・・とか言って、わたしが逃げ出したかったっていうのもあるんだけどね。
ここの駅で降りたの初めてだ。
どれくらいかかるかな〜、まあのんびり歩いて帰ろう。
胸ポケットで震えた携帯。
取り出して見てみるとLINEの通知だった。
玉森先生からの。
>なにやってんの?
>勝手に降りんなよ
>どこにいんの?
>今どこよ
ポンポン出てくるメッセージを眺める。
>おい
>なに既読無視してんだ
>なんか返せよ
>質問に答えろ
あ、そっか。既読つくのか。
先生がわたしの携帯に連絡先入れた時にLINEダウンロードしたから、使い方がイマイチよく分からない。
先生からのメッセージをそのままにしていたせいか、今度は電話がかかってきた。
電話に出るの、少し躊躇ったけど何度も何度もかかってくるから
仕方なく画面をスライドさせた。
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作者名:にこまる | 作成日時:2018年7月16日 1時