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「なあ」



「ん?」



「流石にDVはまずくねえか?警察とかに相談するとか、(人1)が家を出るとかした方が」



「それはだめ」



「なんで」



「あの人、わたしが居なくなったら壊れるから。
何しでかすかわかんない。
わたしが居ないともっとだめになる。だから、わたしはあの家には絶対に居なきゃいけないの」



「殴られてまで?お前こんなあざ作ってんのに?」



「別に平気だもん」



「殴られて平気な奴なんていねえだろ」



「わたしは平気だよ。だって普通じゃないし」



「お前なあ、」






キーンコーンカーンコーン





昼休みが終わった。






「先生にこんな話をするとは思わなかった。
メロンパン、ごちそうさまでした」




「待って」





先生の隣を通り過ぎようとしたら右腕に感じる違和感。





「なに?」




「今携帯持ってる?」






そういう先生にポッケから取り出したスマホを差し出すと、なにやら操作をし始めた。





「俺の連絡先入れといたから」



「は?」



「なんかあったらすぐ連絡して」



「必要ないと思うけど」



「いいから」





その顔はいつになく真剣で、言うなら怖いくらいで
わたしは珍しく素直に頷いた。







あんなに家庭事情を他人に話すのは嫌だったのに
なんで玉森先生には話せたんだろう。


あんなに苦手だったはずなのに、隣にいてくれた時の安心感はほんとに凄かった。



先生と居ると自分が自分では無いような気がしてならない。




この感情は一体なに?







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作者名:にこまる | 作成日時:2018年7月16日 1時

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