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小さい頃からわたしはずっとひとりだった。
物心ついた時には母親はいなくて父親とふたりきりの生活。
母親はわたしを産んですぐわたしを置いて別の男と逃げたそう。
父親もなかなかの人で、普段は優しいのになにかのスイッチが入ると人が変わったようにわたしを殴り出す。
そのスイッチはどのタイミングで入るのかも切れるのかも分からない。
スイッチが切れると途端に優しくなって、わたしに出来たあざを見て謝りながら涙を流すんだ。
小さい頃はそれがものすごく怖かったけど、今はもうすっかり慣れてしまって
あれはあの人なりの愛情表現なんだという考えにも行き着いてしまった。
今は、優しさの欠片も無く何か気に入らないことがあるとわたしを捕まえて殴り出す。
顔だけはいいらしく女を作っては捨て作っては捨て、のなかなかクズな人生を送っている。
いつかその女の人達に殺されちゃうんじゃないかとすら思う。
小さい頃は｢可哀想な子｣という目で見られていたけど、わたしは自分を可哀想だとは思わないし他の家庭を羨ましいとも思わない。
だって、これがわたしの｢普通｣だから。
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作者名：にこまる | 作成日時：2018年7月16日 1時
