我妻さんに捕まりました【鬼滅の刃】

黄色 ページ26

｢善逸さんすごいです！椛が地面いっぱいに広がってます！！｣


任務帰りに善逸さんが見つけたという場所で私はすっかりはしゃいでしまっていた。


｢黄色い椛もあるんですね！！｣


｢ほんとだね！｣


｢この椛、善逸さんの髪の色と似てます！｣


そう言って繋いでいたままの彼の手を思いっきり引っ張ってしまった。



｢わわ、ごめんなさい私、思わず楽しくって.....｣


｢ふふ、本当にかわいいなぁもぉ〜〜｣



そう言って私が善逸さんの髪の色に似ていると言った椛を手に取ってデレデレと嬉しそうに笑っていた。





｢Aちゃん！ちょっとこっち向いて！｣



｢何ですか？｣



｢手出して！｣



素直に私が手を出すと、彼は懐をごそごそとあさりだして、包装紙に包まれていた箱を私の手の上にポン、と置いた。

何だろう...と思って見つめていると、｢あけてみて！｣とワクワクした顔で私を見つめていた。

ゆっくりと紙を開いて箱を開けてみると、蝶と花の飾りがついていた綺麗な髪飾りが入っていた。



｢こ、これ.......｣


｢任務から帰ってくる途中で見つけたんだ！これみた瞬間Aちゃんが浮かんできて...｣



そう言ってくれた善逸さんに私は、まさか、こんなに素敵な場所で、さらに贈り物までしてもらって、嬉しすぎて涙が零れそうになってしまった。



｢これさっそくつけてもいいですか...？｣


｢じゃあ、俺がつけてあげる！！！｣



髪留めを手に取って私の頭に優しく触れて、そっとつけてくれた。思いの他近かった距離に思わず後ずさってしまった。



｢よし！つけれたよ｣



｢あ、ありがとうございます。私、本当にうれしいです！！｣


頬を赤く染めた私に善逸さんは、そっと私の頬に手を伸ばしてきた。お互いの視線が交わったままで、彼と直接触れ合っている所がじわじわと熱くなってきた。



｢...すごく似合ってるよ｣



そう言って微笑んだ善逸さんに私は背筋がぞくりと震えた。



｢今日1日付き合ってくれてありがとう｣


｢...っ、｣


私の耳元にぐっと近づいて甘い声で囁いた。


もう私は何も言葉が出てこなくて、目を合わせているだけで精一杯だった。

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